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トランプ劇場と超富裕層課税 増税か、減税か――税制が映し出すアメリカの真実
奥村眞吾(著)+ゴールドオンライン(編集)
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海外投資家を中心に「政策保有株式」への批判が増えている
昨今、海外投資家は、日本の株式市場に高い関心を向けています。ほかの主要市場と比較して、PBR(株価純資産倍率)やPER(株価収益率)といった指標から見て割安なことに加え、長年のデフレからの脱却と賃金上昇に伴う緩やかな経済成長などへの期待が高まっているためです。
一方で、海外投資家を中心に株主の目は日を追うごとに厳しくなっていて、資本効率の悪い企業は標的になっています。経済産業省から2014年に公表された「伊藤レポート」では、企業は最低8%超のROE(自己資本利益率)を目指すべきだとされていますが、欧米企業に比べて日本企業の資本効率はまだまだ低いままです。
資本効率の改善には、本業の利益率改善はもちろん、自社株買いなども有効な手段の一つですが、近年話題になっているのが政策保有株式の削減です。
政策保有株式が20%以上ある場合、取締役続行に反対…ISSが打ち出した“新ルール”
議決権行使助言会社であるISS(インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ)が2022年2月に導入した議決権行使助言基準は、日本企業に非常に大きなインパクトを与えました。ISSは、政策保有株式の保有額が連結純資産の20%以上の企業に対して、経営トップである取締役の選任議案に例外なく反対を推奨する方針を打ち出しています。
この基準は、企業の資本効率やガバナンスの観点から、過度な政策保有株式の保有が望ましくないとする考えに基づいています。
ただし、政策保有株式の保有額が連結純資産の10%以上20%未満の場合であれば、その企業が過去5年間の平均ROEで一定水準(例えば8%など)を上回っている限り、反対を控えても構わないとしています。

