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非上場企業の「政策保有株式」売却が進まない理由
現在、日本企業における政策保有株式の削減は、コーポレートガバナンス改革の重要な柱として位置づけられています。多くの企業がその必要性を認識し、売却への取り組みを始めていることは事実です。
しかし、その歩みは遅々として進んでいません。特に非上場の政策保有株式の売却が、この問題解決における最大の課題として浮上しています。
トヨタ、みずほ…上場企業では売却進むも、依然として“ほんの一部”
確かに、上場している政策保有株式の売却は着実に進んでいます。野村資本市場研究所の推計によると、日本の株式市場全体の時価総額に占める上場政策保有株式の割合は、1990年度の約5割から、現在では1割程度まで低下しています。
特に顕著な動きを見せているのが、日本一の株式時価総額を誇るトヨタ自動車です。トヨタグループは、多くの株式を岩盤のように持ち合ってきました。ところが、2025年3月期はグループ全体で政策保有株式を70銘柄売却し、売却額は1兆2,150億円と24年3月期の8,370億円から大きく伸びました。
また、2025年6月には、トヨタグループの源流企業である豊田自動織機のTOB(株式公開買付け)の実施も発表。トヨタ自動車、デンソー、アイシン、豊田通商の4社が、豊田自動織機が保有する各社の株を買い取り、資本効率の改善を図るとしています。
ほかにも、みずほフィナンシャルグループが、2025年度からの3年間で政策保有株式を3,500億円以上削減する方針を表明、といったように同株式削減の動きは毎日のように報道されています。
それでもこれらの進捗は、日本全体の政策保有株式の規模から見れば、依然として「ほんの一部」にすぎません。
大手損害保険会社4社の合計政策保有株式は、2023年3月期末の時価ベースで、約5,900社、金額にして約6.5兆円に達しています。この巨額な保有残高を見れば、上場株式の削減が進んだとはいえ、依然として大量の政策保有株式が企業のバランスシートを圧迫していることが理解できます。

