トランプ関税「違憲」判決で、輸入企業に「20兆円規模」の払い過ぎた税金が返ってくる!?…莫大な還付金を狙ってアメリカ国内で急拡大する〈新ビジネス〉の実態【国際税理士が解説】

トランプ関税「違憲」判決で、輸入企業に「20兆円規模」の払い過ぎた税金が返ってくる!?…莫大な還付金を狙ってアメリカ国内で急拡大する〈新ビジネス〉の実態【国際税理士が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

2026年2月20日、米国連邦最高裁はいわゆる「トランプ関税」について「違憲」とする判決を下しました。これにより、関税還付をめぐり国内の企業から政府に対し総額1,330億ドル(約20兆円)規模の訴訟が相次ぐ可能性があります。こうしたなか、企業が保有する関税還付請求権を売買する「新たな金融ビジネス」が急速に拡大しており、投資会社や金融機関の注目を集めています――。その実態を本記事でくわしくみていきましょう。

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投資会社や銀行も「還付請求権ビジネス」に相次いで参入

もっとも、関税還付請求権が実際に現金化できるのか、また回収までにどれほどの時間がかかるのかは依然として不透明です。最高裁は徴収された関税が違憲であると判断したものの、具体的な還付手続きには言及していません。

 

それでも、関税還付を求めて米政府を提訴する企業は増えており、請求権の取引価格も上昇。取引価格は75%に達した例もあるといいます。

 

関税還付請求権を積極的に買い集めている企業としては、アメリカの大手ヘッジファンドKing Street Capitalや破綻企業の債権投資で知られるAnchorage Capital Advisorsなどが挙げられます。また、米国の投資銀行JefferiesやOppenheimerは、請求権を売りたい企業と買いたい投資家の仲介を行い、手数料ビジネスを拡大しています。

 

さらに、破綻企業の再建を専門とする企業や法律事務所もこの市場に参入しています。米国では弁護士費用が高額なため、少額の請求権を売却した企業の場合、訴訟費用を投資会社が肩代わりするケースも少なくないようです。

 

「請求権ビジネス」は日本でも広がるか?

このようなビジネスモデルは、日本ではあまり見られません。しかし、仮に日本でも納税者が国税当局を相手に税金還付訴訟を起こした場合、将来受け取れる還付金を見込んで債権化し、それを売買するビジネスが生まれる可能性はゼロではありません。

 

トランプ大統領の関税政策をめぐる訴訟は、思わぬ形で新たな金融ビジネスを生み出しています。こうした側面を見ると、トランプ氏に依然として根強い支持が集まる理由の一端が垣間見える気もします。

 

 

奥村 眞吾
税理士法人奥村会計事務所
代表

 

 

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