決して珍しくない「無断課金」という現実
国民生活センターには、子どもによるオンラインゲームの無断課金に関する相談が、毎年数多く寄せられています。契約当事者が小学生から高校生までの相談件数は4,024件(2022年)。契約・購入金額の平均は約33万円に達しています。
スマートフォンアプリの中には、一度クレジットカード情報を登録すると、その後は暗証番号の再入力なしで決済ができてしまうものがあります。孫はそれを利用して、休みの間に無断で何度も課金を繰り返していたのでした。
未成年者が親の同意なく結んだ契約の場合、取り消せる場合もありますが、今回のように大人名義のスマートフォンやクレジットカードで決済されていると、返金が認められないケースも多いのが実情。残念ながら、Aさんのケースも返金は難しい状況でした。
「かわいい孫」だったはずなのに…芽生えた恐怖
「スマートフォンを貸したのも、カード情報を登録したのも自分。管理が甘かったと言われれば、その通りだと思います」
そう前置きしたうえで、Aさんからはこんな本音も。
「正直に言うと、怖くなりました。今の子どもって、こんな簡単に何十万円も使ってしまうのかと……。小学5年生、悪意がないといえる年齢なのでしょうか」
都内に住む長男に報告すると、深い謝罪。「次の帰省で直接子どもにもお詫びをさせる」お金は分割で返す」と連絡をもらいました。
「私のせいでもあるので、返金については直接相談して決めようかと。ただ、これから孫に会うたびに『あんなことをした子だ』と見てしまう。それが悲しい。今は、もう来なくていいという気持ちです」
今回の出来事以降、Aさんの中で孫への印象は確実に変わってしまったといいます。慎ましい年金暮らしの中で大金を失ったこと、孫との信頼関係が失われてしまったこと。――よかれと思ってした行動が、家族関係にまで影を落としかねないことに。
かわいい孫だったはずの存在が、一夜にして“理解できない存在”に変わってしまう。そんな現実は、スマートフォンとお金が簡単につながる時代に生きる私たちの近くに潜んでいるのかもしれません。
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】
■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】
