銀行が「役員報酬の低い社長」に抱く4つの疑念
では、銀行は「役員報酬が極端に低い社長」に対して、具体的にどのような疑念を抱くのでしょうか。主な4つの疑念ポイントを挙げていきます。
1.「利益の水増し」を疑われる
役員報酬が極端に低いと、「報酬を削って無理やり利益を出しているのではないか」と見なされます。
銀行は返済原資を「経常利益×0.6+減価償却費」で計算することが一般的です(利益の約4割が税金で消えるため、手元に残るのは6割程度)。
ここで役員報酬が月10万円など異常に低い場合、「本来の報酬水準で計算したら返済原資が足りないのでは?」と判断され、融資が厳しくなります。
本人に水増しする意図がなくても、印象は最悪です。一度疑念が生まれると、審査の最終判断でマイナスに働きます。
2.「利益予測への不信感」が生まれる
役員報酬は、社長自身の「今期の利益予測」を表していると銀行は考えます。
極端に低く設定している場合、「社長自身が今年はまともな利益が出せないと思っているのではないか」と解釈され、ビジネスモデルそのものに疑問符がつくのです。
自らのビジネスに自信のない社長に、銀行がリスクを取って融資するとは考えにくいでしょう。
3.「生活費の出所」が疑われる
たとえば月10万円の収入で、東京で家族を養えるでしょうか? 子供がいる場合など、現実的に無理な水準だと、銀行は「そもそもどうやって生活しているのか」と疑問を抱きます。
最悪の想像として、「消費者金融に手を出しているのでは」「隠し資産があるのでは」「多重債務ではないか」といった疑念が膨らみます。
特に役員借入金がある場合、その原資まで追及されるリスクが高まるでしょう。
4.「実質支配者リスク」が最大の恐怖
銀行が最も警戒するのは、表向きの社長の裏に「実質的な支配者」がいるケースです。
こうした“名目上の社長”は報酬を極端に低く抑えられることが多く、銀行はコンプライアンスの観点から「最悪の事態」を想定して融資を渋ります。
不自然に低い報酬は、融資否認の決定的な理由になり得るため注意が必要です。
