「干渉されない親子関係」を守りたかった
住み替えの理由は、実は“親子関係”にもありました。子どもは都内近郊に住み、孫もいます。ただ、近すぎる距離は望まなかったといいます。
「『来週も来ていい?』って聞かれるのがイヤというわけではなくて、こっちも向こうも生活があるじゃないですか。お互いに、自由でいたい。お互いに“頼らないで済む距離”を作っておきたかったんです」
住み替え後、親子の関係はむしろ安定したといいます。
「孫が来るときは嬉しい。だけど、毎週じゃなくていい。来る側も“泊まらなきゃ”と思うほどの距離ではない。日帰りで、気軽に会える」
娘からの連絡は、以前より“用件だけ”になりました。
「前は“ちゃんと食べてる?”とか、心配からの連絡が増えがちだったんです。今は、こちらの生活が整っているから、向こうも安心している感じがします」
中村さん夫妻は言います。
「老後って、節約だけが正解じゃない。何にお金を使うかで、心の軽さが違う気がします」
もちろん、年金月32万円は平均より高い水準で、すべての人が同じ選択をできるわけではありません。それでも、住まいを「終のすみか」として選び直す発想自体は、多くの家庭に共通するテーマです。
「家族に迷惑をかけないために、我慢して暮らす」ではなく、「自分で回せる暮らしに整えて、結果的に家族にも干渉しない」――。老後の住まい選びは、 “関係性の設計”という要素も含んでいるようです。
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