成年後見制度の現実と娘の決断
ネットで「成年後見制度」について調べたところ、判断能力が不十分な人に代わって弁護士などの成年後見人が、預貯金の管理や各種手続きを行う制度だと知った。
しかし、年間24万円以上の費用がかかること、成年後見人に財布などを預けること、この制度を一度使ったら、本人が死去するまでやめられないことなど、デメリットも多かった。
女性は「親があと10年生きたとしたら、最低でも240万円はかかるのか」と、この制度を利用するのを一度断念し、アルバイトの日数を増やして、親の介護を続けた。
ある日、ついに貯金がゼロになった。
女性は「ちょっとだけ」と、消費者金融に手を出した。しかし返済する余裕はない。返済のために、また消費者金融からお金を借りる〝悪循環〟が始まった。気づくと借金は300万円を超えていた。
「このままだと破産の一途をたどる」と女性は悟った。そうして、成年後見制度を利用することを決断したのだった。
認知症リスクの高い時代、親が元気なうちにしておくべきこと
親がしっかり預貯金をしている場合、親の老後の介護はそのお金を使ってできるため、子供にとってはとてもありがたい。しかし、お金を金融機関に預けている場合、親(契約者)が認知症になってしまえば、そのお金を引き出すことは極めて難しくなる。
特に、定期預金や貸金庫は、契約者本人による手続きもしくは本人直筆の委任状が必要になってくる。こうしたリスクを抱えることは、絶対に避けるべきだ。親が元気なうちに解約し、普通預金に預ける。そして普通預金の暗証番号は、家族で共有しておくことが大切だ。
5人に1人は認知症になる時代。こうした備えをしないでおくと、お金があるのに介護費用で破産することだってあり得るのだ。
永峰 英太郎
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