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「忙しい」は、プレーヤーとしては有能でも管理者としては無能
頭では理解したつもりになっている幹部の次の思考パターンは「忙しい」です。「うちは大企業ではないので、人がいない、時間がない、忙しい」が組織の中で蔓延し、社長との方向性は合っていてもスピード感が全くでません。
このような思考に陥るのは、「忙しさ」を肯定しているためです。
忙しさとは、プレーヤーにとっては、有能さの証です。優秀な人に仕事が集まるからです。従って、社員は、自分の有能さのアピールとして「忙しさ」を口にする傾向があります。
私は、20代後半に部下を持ち、自分の愚かさに気づきました。部下を持っているのに「忙しい」というのは、プレーヤーとしては有能でも、管理者としては無能さをアピールしているようなものです。これに気づき、「忙しい」という言葉を使うことを止めました。
標準化を進める重要なテーマは、「忙しい」という言葉を管理者から排除することです。
忙しいと思っている限り、緊急性を中心に業務を回している証拠であり、重視すべきテーマである標準化は先送りされます。
「ISO」を取得しようとする企業の落とし穴
頭で理解し、社員が納得した企業は、ISO等の取得で標準化を図ろうとします。
ISOの取得自体に問題はありません。問題は、それが形骸化することです。多大な時間をかけてISOを取得しても、実際は、年に1度の審査を通過するためだけの儀式になっていきます。
形式だけ整えても実際の業務は、属人化したままになります。これでは、社員はISOを取得しても何のメリットも感じません。ただやることが増えた、負荷が増えたと思うだけです。
社員が真に標準化のメリットを感じるのは、標準化の整備ではなく、運用によって生産性がアップし、実際に自分の給与・賞与が増加した時です。ここに至るには、標準化ではなく、次の「省人化の時代」へ向けて一気に駆け抜ける必要があります。
プロセス・イノベーションは人の時代(暗黙知)から仕組みの時代(形式知)への構造転換であり、技術の問題ではなく心の問題がテーマになります。一見すると、標準化は技術で解決できる問題と思えるのもトラップの一つです。
標準化では、自分中心から他人中心へという価値観の転換が要求されます。実際には、人間的成長が伴わなければ、標準化には成功できません。それほど困難なものなのです。

