「何回もイヤミを言われると…」義母の在宅介護に限界
関東在住の主婦・佐伯里美さん(仮名・46歳)。会社員の夫と、高齢の義母の3人で暮らして8年になります。義母の弘子さん(仮名・80歳)は、数年前に要介護2の認定を受け、身体的には部分的な介助が必要な状態です。
「食事や入浴、排せつはほぼ見守りレベルで済みます。でも、口を出されることがすごく多いんです。“これはこうして”“あれは嫌い”って。悪気はないのかもしれませんが、毎日となると……正直、疲れます」
それでも、介護保険のサービスを利用しつつ、なんとか家庭内でやりくりしてきました。弘子さんの年金収入は月17万円。在宅介護が可能なのも、「生活費を抑えられるから」という経済的な理由が大きいと言います。
「お義母さん、今日はデイサービス行ってくれる?」
「また? あんなとこ、退屈なのよ。あんたたちは楽できていいわねぇ」
ある日、こんなやりとりがあったといいます。里美さんは、週に2回のデイサービスを「自分のリフレッシュの時間」として大切にしていました。しかし、義母はそれを“追い出されるように感じる”ようで、毎回不機嫌になるそうです。
「最初の頃は優しく送り出していたんです。でも、何回もイヤミを言われると、もう感情が持ちません」
“ありがとう”の一言もない。「やって当然」と思われているような毎日に、里美さんの心はじわじわとすり減っていきました。
そんななか、ある夜の出来事が決定打になったといいます。
「夕食中、義母が“味噌汁がしょっぱい”と言ったんです。その時、私、咄嗟に“もう限界だって言ってるでしょ!”って叫んでしまって…夫の前で泣いてしまいました」
しかし、夫の反応は期待とは違っていました。
「母さんも歳だし、こだわりがある人だから、ちょっとしたことが気になるんだよ。悪気があるわけじゃないし…」
その一言に、何かが崩れ落ちた気がしたといいます。
「私が何に悩んでいるのか、全然分かってなかったんだと思いました。夫の“無自覚な温度差”が一番つらかったです」
