「駅前の小さな部屋の方が」…両親の選択
確かに地方移住には、住環境の広さや物価の安さといったメリットがあります。しかし、高齢者にとっては「医療機関へのアクセス」「公共交通機関の不便さ」「近所づきあいの希薄さ」など、多くの見落としがちな壁があるのも事実です。
田中さんは両親と話し合い、次のような決断をしました。
●地方の一軒家は売却し、駅近でバリアフリーのUR賃貸物件へ転居
●父は月1回の認知機能検査、母はカウンセリングを継続
●食事宅配や訪問診療など、外部支援サービスを導入
「畑も庭も、もういらない。駅前の小さな部屋の方が、気持ちが落ち着く」
母がそうつぶやいたとき、田中さんは“老後に必要なのは広さや理想より、安心感なのかもしれない”と気づいたといいます。
定年後の暮らし方に“正解”はありません。しかし、支援が届きやすい場所にいること、困ったときに頼れる関係性があること――そうした「現実の選択」が、老後の安心を支える土台になります。
夢や理想だけでなく、「本当に暮らし続けられる場所とは何か」を見極めること。それが、これからの高齢社会における“豊かさ”の条件なのかもしれません。
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