楽しみ優先の人生を送ってきた会社員男性
「もし、あのときに“ねんきん定期便”を開封していなかったら……ゾッとします」
地方都市で一人暮らしをするAさん(51歳)はそう振り返ります。中小企業勤務で、45歳当時の年収は約680万円。国税庁「令和5年分民間給与実態統計調査」によれば、45~49歳男性の平均年収は653万円。6年前なので完全な比較はできませんが、当時も“中の上”だと思っていたとか。
しかし、今から6年前、45歳時点での金融資産は300万円程度だったといいます。旅行が好きで、年に2~3回は海外へ。推しのアーティストのライブがあれば地方公演にも足を運ぶ。外食も多く、貯金をしようと思いながらも、日々の生活は「楽しみ優先」でした。
「自分のことだけを考えればいい生活。20代、30代のときは給料が安くても目いっぱい遊んでいて、それとあまり変わらない感覚で生きていました」
そんなAさんでしたが、45歳のときに日本年金機構から届いた「ねんきん定期便」で意識は一変しました。
封筒で届いた「ねんきん定期便」…その中身
毎年誕生月に届くねんきん定期便ですが、Aさんは長年、封を開けずに放置していたといいます。
「僕は結婚していないので、老後は一人。老後について直視しないようにしていた部分もあった。それに、会社は中堅ながら安定していますし、退職金制度もある。不安を感じる材料があまりなかったんです」
しかし、45歳時に封筒で届いたねんきん定期便。通常のハガキとは違い、これまでの加入記録や将来の年金見込額が詳細に記載された、いわゆる“節目の通知”です。
「さすがに開けずにいられませんでした」
記載されていた老齢年金の見込額は、年額約196万円。月に割ると約16万3,000円です。そのとき、初めて“現実”として老後が見えたといいます。
「自分がいくら毎月使ってるのかもわからない状態でしたが、家賃だけでも10万円。16万ちょっとでは確実に生活できません。それでハッと目が覚めました」
