きっかけは、深夜の一言
決定的となったのは、仕事で疲れ切って帰宅した由香さんに、母からかけられた一言でした。
「もう限界。いつまでこの状態を続けるつもりなの?」
声を荒げたわけでもありません。ただ、はっきりとした口調でした。その瞬間、由香さんは初めて気づいたといいます。
「このまま実家にいても、私は変わらないし、親も壊れていく」
内閣府『令和7年版高齢社会白書』によると、65歳以上の者のいる世帯のうち、「親と未婚の子のみの世帯」は20.2%。経済的理由や生活の利便性から同居を続けるケースは珍しくありません。
一方で、生活習慣の違いはそのまま人間関係の摩擦になるため、「生活上のストレス」を感じやすい傾向もあります。
由香さんが出した結論は、シンプルでした。
「ちゃんとできるようになってから出る、じゃなくて、出るからちゃんとする」
貯金は心もとない。家事も不安。それでも、親の家を出ることを決めました。
由香さんは今、小さなワンルームを探しています。出費は実家暮らしより確実に高くなりますし、生活も厳しくなります。
それでも、こう言います。
「完璧じゃなくていい。散らかる日があっても、自分の責任で生きたい」
部屋を片づけられなかったこと自体が、問題のすべてではありません。問題だったのは、その状態を“許される場所”に居続けてしまったこと。
だらしなさを責めることよりも難しいのは、甘えが許される環境から自分を切り離すことでした。その事実に気づいたとき、初めて「出る」という選択肢が現実味を帯びてきたのです。
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