(※写真はイメージです/PIXTA)

2026年現在、ようやく金利が上昇し始めたが、私たちが忘れてはならないのは、かつて日本や欧州で長期間実施された「マイナス金利政策」の教訓だ。実は、現金には中央銀行の極端な政策に対するブレーキとしての役割がある。預けているだけで貯金が減っていくマイナス金利下において、銀行から資金を引き出し、手元に現金で保管することは、個人の資産を目減りから守るための唯一の出口だった。国民がこの「現金化」という対抗手段を持っている限り、中央銀行は極端なマイナス金利を設定することができない。しかし、今進んでいるキャッシュレス化・脱現金の動きは、この出口を完全に塞ぎ、国民の資産を逃げ場のないデジタル管理下に置くリスクを孕んでいる。将来再び訪れるかもしれない不況や不当な資産の目減りから、自分たちの老後資金をどう守るべきか。ジェイ・L・ザゴースキー氏の著書『ザ・パワー・オブ・キャッシュ デジタル経済にこそ跳ね上がる現金の価値』(プレジデント社)より、現金の物理的な防御力を解き明かす。

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人口の半数が貯蓄ゼロ…調査結果が示す、米国家計の脆弱性

米国で貯蓄しない人はどのくらいいるのだろうか。連邦準備理事会(FRB)が全米で無作為抽出した世帯を対象に3年ごとに実施している消費者金融調査という調査がある。貯蓄の習慣や意図を探るのが目的だ。

 

回答者には、「貯蓄なし」、「月末に余剰金があれば貯金する」、「定期的に貯金する」の三者択一で答えてもらった。2000年以降、「定期的に貯金する」を選んだ世帯は全世帯の半数に満たない状態だ。

 

この回答はあくまでも貯蓄の意図であって、回答と実態が必ずしも一致しているわけではないため、同調査では、後日、回答者に追跡調査を実施している。この1年の世帯支出額について、「所得を上回った」、「所得を下回った」、「所得と同じ」の三者択一で質問した。

 

当初の意図に関する回答結果と同じく、過去1年に貯金をしたとの回答は、全世帯の半数を下回った。

 

十分に裕福なら、貯金する必要はない。現状が裕福で満足できているのであれば、それ以上に貯金する必要はほとんどない。残念ながら、米国では、多くの人々が資産らしい資産を持っていないため、貯蓄があるのは人口の半数未満という問題が生じている。

 

10世帯に1世帯は、純資産がマイナスかゼロ

調査では、貯蓄の意図に関する質問に加え、資産についても質問している。この質問は、すっかり忘れかけていた銀行口座など、ほんの少額であっても、その存在をあぶり出すのが目的だ。そのうえで、各人の資産から負債を差し引き、各人の純資産を特定している。

 

1980年代から現在まで続く同調査の平均を取ると、米国では全世帯のうち、純資産が1ドル以上ある世帯は10%にとどまった。つまり、10世帯に1世帯は、純資産がマイナスかゼロということだ。最新の調査結果によれば、全世帯の半分は、貯蓄額が所得2年分に満たない。

 

純資産がごくわずかかゼロなうえに、貯蓄率も決して高くないことは、全国的な問題である。多くの人々は、老後の生活を国の退職給付制度に全面的に依存していることがわかる。

 

予期せぬ出費など、金銭面でちょっとしたショックがあると、家計は大混乱に陥りかねない。貯蓄が少なくなれば、いざというときに最低限の生活を保障する社会的セーフティーネットへの依存度が高まる。

 

次ページ米国人の貯蓄を促す「最も確実な方法」は…

※本連載は、ジェイ・L・ザゴースキー氏著、斎藤栄一郎訳による書籍『ザ・パワー・オブ・キャッシュ デジタル経済にこそ跳ね上がる現金の価値』(プレジデント社)より一部を抜粋・再編集したものです。

ザ・パワー・オブ・キャッシュ デジタル経済にこそ跳ね上がる現金の価値

ザ・パワー・オブ・キャッシュ デジタル経済にこそ跳ね上がる現金の価値

ジェイ・L・ザゴースキー,斎藤 栄一郎

プレジデント社

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