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日本が長年進める「マイナス金利政策」の搾取構造
多くの高齢者は、引退までの人生の大半を老後の資金づくりに努めてきた。この蓄えを元手にすれば、少しは利益が得られると期待しているのだ。
だが、世界中の中央銀行は近年、ゼロ金利政策を推し進めている。マイナス金利は、欧州では2014年から2022年までの期間、日本では長年にわたって採用されている。
マイナス金利は、預金者から資金を奪い取るもので、高齢者をはじめ、コツコツと蓄えてきた人々に対するいじめ以外の何物でもない。現金には、このような政策にブレーキをかける効果があり、現金を使えば、高齢者の蓄えを取り上げようとする役人を阻止できるのだ。
預けるだけで減っていく…マイナス金利の暴走を防ぐ「現金」
この問題を詳しく見ていくために、ちょっとしたたとえ話を使いたい。結婚式のような一大イベントのために多額の貯蓄を続けてきたとしよう。マイナス金利とは、大切な日の到来を待っている間に、蓄えの一部が勝手に没収されているようなものなのだ。
せっかくの蓄えをマイナス金利に盗まれない簡単な方法がある。現金で蓄えることである。現金なら、マイナスの利息を取られる心配もない。この策は、金利がプラスのときはよろしくないが、マイナス金利なら十分にありだ。
現金の存在は、中央銀行がマイナス金利の領域まで暴走するのを押しとどめるだけでなく、国内の金融機関で取り付け騒ぎが発生した場合でも、蓄えを保護する役割を果たす。
銀行の取り付け騒ぎはめったに起こるものではないが、大量の預金者がどっと押し寄せて預金を引き出せば、壊滅的な状況に陥る。実際、2023年、米国では、シリコンバレー銀行、ファーストリパブリックバンク、シグネチャー銀行の3行がそろって破綻している。
銀行預金ではなく、現金で手元に蓄えておけば、大規模な銀行取り付け騒ぎが差し迫った状況でも安心だ※。
※ Rose (2023)
もちろん、現代経済に銀行は重要な存在である。余剰資金を持つ人々から資金を預かり、資金を必要とする人々に振り向けることで、言い換えれば預金者の資金を借り手に回すことで、経済成長を劇的に促す役割を果たすのが銀行だ。中央銀行は、金融部門の安定性確保で重要な役割を果たしている。
銀行は現代経済で極めて重要なつなぎ目役であるが、銀行も中央銀行も時折、とんでもないヘマをしでかし、経済成長を損なうばかりか、世界の経済状況を揺るがすこともある。
