「感謝されたいわけじゃない。でも…」
小林さんは、家族を責めたいわけではないと言います。
「感謝してほしいわけじゃない。ただ、“自分も限界だ”ってことを、分かってほしかった」
これまで不満を口にしなかったことが、かえって“余裕がある父”“何でも引き受ける夫”というイメージを固めてしまったのかもしれません。
「ずっと家族のために働いてきたのに、気づけば自分の時間もお金も、ほとんど残っていなかった。ふと、『俺の人生って何だったんだろう』って思ってしまったんです」
年収が高く見えても、住宅ローンや教育費、介護といった負担が重なると、家計に余裕は生まれにくくなります。さらに近年は物価上昇も続き、可処分所得が増えない家庭も少なくありません。
総務省の家計調査でも、現役世代・高齢世代を問わず、生活費の負担感が強まっていることが示されています。
小林さんのように、「家族のために」と働き続けた結果、自分の人生を後回しにしてきた人は、決して珍しくありません。
あの出来事をきっかけに、小林さんは家族と話し合いを始めました。
「全部を一人で背負うのは、もうやめようって。収入や支出のことも、正直に話しました」
不満を爆発させてしまったことに後悔はあるものの、「あれがなかったら、ずっと黙ったままだった」とも感じています。
「ずっと家族のために働いてきたのに、最後に残ったのが不満だけだったら、あまりにも虚しい。これからは、少しでも“自分のため”の時間とお金を取り戻したいですね」
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