「私は見ないよ」と言い切っていた妹が…
東京都内に住む会社員の川村徹さん(仮名・52歳)。実家は千葉県郊外にあり、84歳になる父・勝男さん(仮名)が一人暮らしを続けていました。
「父は足が悪くなってきたとはいえ、日常のことは何とか自分でやっていました。買い物は週1回、ワゴンでスーパーが来てくれるし、食事は宅配弁当。介護認定は“要支援1”で、週に2回ヘルパーさんに来てもらっていた程度です」
妹は川村さんの4歳下で、結婚後は神奈川県内に暮らしていました。
「妹は昔からあまり親と関わりたがらないタイプで、“私はそっち(親の面倒)は見ないよ”と公言していたんです。こちらも覚悟していたので、父の通院の付き添いや契約手続きなどは、すべて僕がやっていました」
事態が動いたのは、父が肺炎で急に入院したときのことでした。1週間ほどの入院の予定で、幸い症状は軽かったものの、病院との連絡や着替えの用意など、細かい対応が必要になります。
「驚いたのは、そのタイミングで妹が突然連絡してきたことです。“今どうなってるの? 通帳はどこにあるの?”と」
普段は年に1回、お正月に挨拶程度しか話さない妹が、いきなり“通帳の所在”に踏み込んできたことに、川村さんは強い違和感を覚えました。
「“いや、通帳は実家にあるけど、管理は父がしてるよ”と伝えたら、“これからのこともあるから、私が預かっておいた方がいいと思う”と言い出したんです。それまで“面倒は見ない”と明言していた人が、急に前のめりになった理由が、どうにも腑に落ちなくて…」
退院後、父は無事に自宅へ戻りましたが、妹はその後も「通帳を確認したい」「後見制度のことを調べてみた」など、財産管理に関与しようとする言動を見せ続けたといいます。
「父はそれなりに預金もあって、年金も月11万円ほど。贅沢をするタイプでもなくて、質素に暮らしているようでした」
妹の言い分は「今のうちに管理を明確にした方が安心だから」というものでしたが、川村さんには“介護に協力せずに、財産だけ口を出してくる”ように映りました。
