介護休業給付金は“手取りベース”で給料の約8割
介護休業給付金は給料の約3分の2(67%)ですが、手取りベースで計算したら約8割になります。
給料を通常通りもらった場合は、そこから税金と社会保険料を引かれます。月給30万円の人であれば、手取りはだいたい25万円となります(扶養家族がいない場合)。
介護休業給付金を30日分もらったら、月給の67%で約20万円ですが、非課税です。
介護休業中でも、社会保険料は支払う必要があります。ここは、社会保険料が全額免除される育児休業とは大きく違うところです。社会保険料を毎月会社に振り込むか、または、職場復帰後にまとめて払うかなど、払い方については会社と協議して決めることになります。
介護休業の期間が短いワケ
育児休業(育休)が約1年あるのに対して、介護休業は最長93日と短いです。93日では介護しきれないと不満を感じる方がいるかもしれません。
実は、育児休業と介護休業では会社を休む目的が違うからです。育児休業は、本人が育児をするための休業です。育児と仕事を両立するのではなく、いったん仕事を休んで「育児に専念する」ことがポイントです。
一方、介護休業は、本人が介護をするためだけでなく、介護と仕事を両立するために体制を整える休業という意味合いがあります。介護は短期間で終わるものではなく、家族が生きている限りずっと続く可能性があります。その間、ずっと会社を休むわけにはいきません。
重要なのは、介護休業を取得している間に、ケアマネジャーに要介護認定をしてもらったり、在宅で介護するのか施設に入居するのかを決めたりなど、介護と仕事を両立するための準備をすることです。
ただ、会社側も本人も、介護休業の趣旨を理解していないと、いたずらに時間を過ごして93日間が過ぎてしまうことになりかねませんので、ケアマネジャーなどと連携しながら休んでいる期間を有効活用することが重要です。特に、初めて介護をする場合は、右も左もわからず困りますから、市区町村などの介護の相談窓口に早めに相談に行くようにしましょう。
介護による退職は7日後から「失業手当」が支給される
介護と仕事の両立が難しくやむを得ず退職せざるを得ないこともあるでしょう。その場合、会社都合退職ではなく自己都合退職になります。
ただし、介護による退職は、やむを得ない理由で退職したものであり「特定理由離職者」に該当しますので、待機期間は7日間ですみ、失業手当を申請して7日後から失業手当をもらえます。
失業手当の金額と支給される期間は、通常の自己都合退職と同じになります。
育児と親の介護が重なった場合の制度選び
結婚して子どもを出産する年齢が高くなっていますが、親の介護と重なってしまうこともあるでしょう。介護休暇と育児休業は同時にはとれませんので、どちらかを選ぶことになりますが、育児休業を取得するほうがお得です。
介護休業は最大93日間であるのに対して、育児休業は子どもが1歳になるまで取得可能ですし、場合によっては延長もできます。
また、介護休業中は社会保険料を払う必要がありますが、育児休業中は社会保険料が全額免除されます。
服部 貞昭
ファイナンシャル・プランナー(CFP®)
新宿・はっとりFP事務所 代表
エファタ株式会社 取締役
