夫は「うまくやってくれよ」と…義母の“命令”が日常に
「“仕える”ために結婚したわけじゃありません」
そう語るのは、関東在住の加奈子さん(仮名・42歳)。3年前、義母(当時75歳)の転倒をきっかけに、夫とともに義母との同居を始めました。義母は現在78歳、要支援2の認定を受けていますが、家の中ではほぼ自立して生活しています。
「最初は“何かあったらすぐ駆けつけられるように”と思っていたんです。でも、だんだん“呼ばれる”頻度が増えてきて…」
加奈子さんによると、義母の口調は次第に変化していきました。
「“お願い”じゃなくて“命令”になっていったんです。たとえば、夜に『今すぐ薬取ってきて。すぐ!』とか。こっちは夕食の準備をしていてもお構いなしで…」
夫に相談しても、「年寄りだから仕方ないよ」「うまくやってくれよ」と返されるばかり。加奈子さんのストレスは日々積み重なっていきました。
加奈子さんは週3回、近所のスーパーでパートをしています。家計の足しにと始めた仕事でしたが、義母との生活が始まってからは、「仕事の方が楽」と感じるほどになっていました。
「義母は年金月12万円で、“自分はお金出している側”って感覚なんですよね。“生活費は払ってるんだから、あんたが動きなさい”って態度で…。でも、私だって働いているし、家事もやっているし、なんで私だけが“召使い”みたいに扱われなきゃいけないのかって…」
義母の食事や通院の付き添い、ゴミ出し、洗濯…。加奈子さんの1日は、“気遣い”と“我慢”で埋め尽くされていきました。
ある晩、義母に呼び出された加奈子さんが少し返事を遅らせると、「あんた、返事もできないの?」と吐き捨てられました。その瞬間、加奈子さんの中で何かが音を立てて崩れたといいます。
「気がついたら、夜中にノートに『しばらく実家に帰ります。もう戻らないかもしれません』と書いていました。カバンひとつ持って、家を出ていました」
その後、夫からの電話が鳴り続けましたが、加奈子さんは1週間、実家で静かに過ごしました。
「耐え続けて、もう壊れる寸前だったんです。そこまできて、逃げてもいいとようやく思えた」
