(※画像はイメージです/PIXTA)

近年、頻繁に耳にするようになった「カスタマーハラスメント(カスハラ)」。正当なクレームの範囲を超え、従業員に過度な要求や不当な言動を向ける行為が、現場を疲弊させています。実際にカスハラが発生した場合、企業はどのようなリスクを負い、どう対応すべきなのでしょうか。本記事では、弁護士の森大輔氏が、カスハラの法的リスクと、企業が講じるべき具体的な対策をわかりやすく解説します。

※本連載は、森大輔法律事務所が提供するコラムを一部抜粋・再編集したものです。

カスタマーハラスメント(カスハラ)とは?

カスタマーハラスメント(通称カスハラ)は、顧客が企業に対して過度な要求や不当な要求、言動を行うことを指します。

 

“ハラスメント”と言うように、従業員が顧客から身体的・精神的攻撃によって不利益を受けたことで就業環境が害されること、と定義されます。

 

■カスハラとクレームの違い

カスハラとクレームは似て非なるものです。カスハラは先述の通り、従業員への不合理な要求や、常識的な範囲を超えた言動を指しますが、クレームは顧客の不満や要望を表すもので、多くの場合、製品やサービスに関する具体的な問題に基づいているという特徴があります。

 

端的に違いを表すと、「顧客からの要求に妥当性はあるか」、「伝達方法・様態が常識的な範疇であるか」の2点の違いが挙げられます。

カスハラを放置するリスク

顧客から受けるカスハラをそのまま放置する、ということではなく、カスハラが日常的に発生するような状況を放置することのリスクとしては主に以下の内容が挙げられます。

 

■生産性の低下

本来は対応する必要がない不当な要求への対応を迫られることで、対応のための人員が割かれることや、クレームの内容によっては社内で対応方法を検討したり、時には弁護士への相談が必要となるため、不要な業務が発生する影響で生産性が落ちるリスクが考えられます。

 

■従業員の退職率の増加

カスハラを直接受ける従業員には精神的ストレスが強くかかるため、それによって通常業務のパフォーマンスが落ちる懸念や過度なストレスを抱えたことでメンタルヘルス不調を訴え、休職、退職に繋がるという恐れもあります。また、企業としてカスハラへの対策を一切講じない場合、従業員が企業に対して不信感を抱く一因となることで間接的に退職を引き起こすリスクも考えられます。

 

次ページカスハラ対策において企業が実施すべきこと

※本連載は、森大輔法律事務所が提供するコラムを一部抜粋・再編集したものです。

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