「地位の証明」としてのFX法人化も少なくないが…
特に専業トレーダーや専業主婦、病弱や引きこもり気味の方にも言えることですが、法人化によってその身分が「会社経営者」となります。
あるときは、将来住宅ローンを組むために雑所得から給与所得へ所得属性を変え、さらに給与金額を高くしたり、またあるときは、結婚相手のご両親に顔向けするための地位として法人を設立したり、あるいは、呑気な方のなかには、夜のお店で使う名刺が欲しいというケースさえあります。
最近の傾向としては、育休中にどこかへ在職している地位の証明としてのFX法人、また、シニア世代のリタイア後の地位継続と老後の資産形成のための法人化も多くみられるようになっています。
「個人よりも簡単にオカネが借りられる」という誤解
WEBサイトや本などでは、FX法人になれば、銀行借入がしやすくなるかのように書かれたものがあります。
しかし、これは事実とは異なると考えて良いでしょう。
銀行がFXを含む金融商品への投資に融資を行うことは、特に中小企業が相手の場合は皆無です。
この点、法人化によって資金調達がしやすくなるということはありませんので、期待してはいけません。
ただし、FX法人が安定収益を求めて、FX以外の事業や不動産投資の資金を銀行に借りられる可能性は十分にあります。
ただ、これは不動産に担保価値があるためであって、法人だから借りやすいというものではありません。
つまり、法人化すれば個人よりも簡単にオカネが借りられる、というようなことはなく、単なる誤解にすぎないことを覚えておきましょう。