高校の年間学習費「公立は約60万円、私立は約103万円」
文部科学省『令和5年度 子供の学習費調査』によると、高校(全日制)に通う1人当たりの年間学習費総額は、公立で約60万円、私立で約103万円。塾や家庭教師を加えるとさらに負担は増します。
「教育費の話は、娘に不安を与えたくなくて避けていました。でも、避けた結果、娘が“自分の判断”で抱え込んでしまった。完全に逆でした」
数日後、誠さんは娘と2人で話す時間をつくりました。家計が苦しいわけではないこと、ただし“無限に出せるわけではない”こと、だからこそ優先順位を一緒に決めたいこと。そんな話を、できるだけ淡々と共有しました。
美優さんはしばらく聞いたあと、小さな声で言いました。
「……じゃあ、もう少しだけ、頼っていい?」
誠さんは迷わず答えました。
「もちろん。頼るのは悪いことじゃない。むしろ、頼ってほしい」
その後、美優さんは学校側に事情を説明し、アルバイトはやめました。誠さんは「やめさせた」というより、「相談できる形に戻したかった」と言います。
“優等生”であっても、心の中には、親が思いもよらない葛藤があるものです。子どもを管理するのではなく、対話すること。経済面も含めて、家族として向き合うことが、いま改めて問われているのかもしれません。
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】
「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】
