人生は計画通りにはいかない
「さすがに、大晦日の深夜帯は敬遠する人が多い気持ちはわかります。でも、私には一緒に過ごす人も予定もありませんから。だったら、その時間に働いたほうがいいと思ったんです。三が日も働きますよ」
佐々木さんの時給は、日中で1,400円。22時以降の深夜帯は割増がつき、1,750円ほどになります。基本的には年金で暮らし、月に16万円ほどの収入は、すべて貯金に回しているといいます。
かつては、いわゆる「普通の会社員」でした。部下を持ったこともあり、それなりにゆとりのある老後を過ごせると考えていた時期もあります。しかし現実は、40~50歳年下のアルバイトとも肩を並べ、時給で働く日々です。
管理職から時給制の仕事へ――それを「転落」と呼ぶ向きもあるでしょう。ただ佐々木さんは、そうした尺度で自分のいまを測ろうとはしていません。
「若い人と一緒に時給で働くことを、みじめだと思う人もいるんでしょうけどね。でも、人生って計画通りにはいきません。特別不幸でもないですよ。年金と貯金に、毎月いくら足せば赤字にならないか。そこがクリアできていれば十分です」
大晦日も、正月も、佐々木さんにとっては特別な日ではありません。淡々と働き、淡々と帰る。その現実的な選択こそが、佐々木さんにとっての“いまの老後”なのです。
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