(※写真はイメージです/PIXTA)

長年、仕事を最優先に生きてきた夫婦が、定年退職を境に急激に関係を悪化させるケースは少なくありません。夫が仕事中心、妻が家庭を支える役割を担ってきた家庭ほど、老後の生活設計や価値観のズレが表面化しやすいと言えます。これは、長年蓄積された不満が「定年」という節目で一気に噴き出す現象とも言えるでしょう。厚生労働省『令和6年 人口動態統計月報年計』によれば、2024年に離婚した夫婦のうち、婚姻継続期間が20年以上の割合は約22%にのぼります。

「お疲れさま」の一言も、最後までなかった

「離婚届を差し出した夜のことは、今でもはっきり覚えています」

 

そう話すのは、東京都内在住の彩子さん(仮名・58歳)。この春、38年間連れ添った夫・誠一さん(仮名・61歳)と離婚しました。

 

誠一さんは大手電機メーカーに勤め、部長職まで務めた、いわゆる“エリート会社員”。定年退職の日、彩子さんはささやかな夕食を用意して待っていました。

 

けれど、夫の口から出たのは感謝の言葉ではありませんでした。

 

「で、これからは何をするんだ? 一日中家にいるわけじゃないよな」

 

「君もお疲れさま」の一言もありませんでした。その瞬間、胸の奥で何かが静かに折れた気がしたといいます。

 

結婚生活のほとんどで、彩子さんは専業主婦でした。夫の転勤に合わせて仕事を辞め、子育てと家事を担ってきました。

 

「俺が誰のために働いてきたと思ってるんだ」

 

それは、夫の口癖でした。家計の決定権、住む場所、老後の方針――すべては夫主導。彩子さんが意見を言うと、「文句があるなら稼いでみろ」と返されることもありました。

 

「気づけば、自分の意見を言わないことが“当たり前”になっていたんです」

 

定年後、そのバランスは一気に崩れました。

 

退職してからの夫は、家にいる時間が急増しました。彩子さんの家事のやり方に口出しをし、買い物の金額を細かくチェックし、「今日はどこへ行った」「なぜそんなに時間がかかる」と問い詰める日々。

 

「年金と退職金があるんだから、贅沢さえしなければやっていけるだろ」

 

そう言いながら、夫自身は趣味のゴルフや高級時計にお金を使う。その一方で、彩子さんが友人とランチに行くことには顔をしかめました。

 

「この人と、この先20年、30年を過ごすのは無理だと思いました」

 

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