(※写真はイメージです/PIXTA)

厚生労働省『人口動態統計』によると、全体の離婚件数における「同居期間20年以上の離婚」は年間4万件にのぼり、年々増加傾向にあります。家庭内で蓄積された不満や、子どもの独立を契機に離婚を決意するケースも多く、当事者の人生に大きな変化をもたらします。今回は、定年日に突然離婚届を突き付けられた男性が、思いがけない“第二の人生”を歩み出すまでの3年間をみていきます。

配当と値上がり益で一気に加速

西田さんは、退職金のうちの1,000万円を、S&P500など米国株のインデックスファンドに分散投資。さらに、高配当株ETFにも資金を割きました。退職前から老後資金について最低限の勉強はしていたものの、実際に大金を動かす決断には、相当な不安もあったといいます。

 

「正直、怖かったですよ。だけど、眠れないようなハイリスクな株には手を出さずに、“世界経済全体に賭ける”気持ちでインデックス投資を選びました」

 

その後、円安の進行と米国株の堅調な回復が追い風となり、配当と含み益が増加。2年後には1,000万円がおよそ1,400万円に。加えて年金月18万円も手堅く受け取っていたため、「使わずに増やす」ペースが加速していきました。

 

「今なら笑って言えますよ。“離婚してくれてありがとう”って。妻には申し訳ないけど、あのまま定年後も“誰かのための人生”を続けていたら、たぶん自分の人生には気づけなかった」

 

総務省『家計調査報告(2024年)』によれば、無職高齢夫婦の月平均支出は約25.6万円。一方、可処分所得は平均22.2万円で、月3.4万円の赤字が生じているというデータもあります。

 

西田さんのように「年金+資産運用+副収入」で暮らす高齢者はまだ少数派かもしれませんが、「生き方を変えれば、収入源も増やせる」ことを体現したケースといえるでしょう。

 

孤独と絶望から始まった第2の人生。けれど、そこには「まだ遅くない」と気づくヒントがありました。

 

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