配当と値上がり益で一気に加速
西田さんは、退職金のうちの1,000万円を、S&P500など米国株のインデックスファンドに分散投資。さらに、高配当株ETFにも資金を割きました。退職前から老後資金について最低限の勉強はしていたものの、実際に大金を動かす決断には、相当な不安もあったといいます。
「正直、怖かったですよ。だけど、眠れないようなハイリスクな株には手を出さずに、“世界経済全体に賭ける”気持ちでインデックス投資を選びました」
その後、円安の進行と米国株の堅調な回復が追い風となり、配当と含み益が増加。2年後には1,000万円がおよそ1,400万円に。加えて年金月18万円も手堅く受け取っていたため、「使わずに増やす」ペースが加速していきました。
「今なら笑って言えますよ。“離婚してくれてありがとう”って。妻には申し訳ないけど、あのまま定年後も“誰かのための人生”を続けていたら、たぶん自分の人生には気づけなかった」
総務省『家計調査報告(2024年)』によれば、無職高齢夫婦の月平均支出は約25.6万円。一方、可処分所得は平均22.2万円で、月3.4万円の赤字が生じているというデータもあります。
西田さんのように「年金+資産運用+副収入」で暮らす高齢者はまだ少数派かもしれませんが、「生き方を変えれば、収入源も増やせる」ことを体現したケースといえるでしょう。
孤独と絶望から始まった第2の人生。けれど、そこには「まだ遅くない」と気づくヒントがありました。
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】
「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】
