仏壇の奥で見つけた「意外な遺産」
「えっ、これ……ばあちゃんの通帳?」
都内在住の32歳会社員・高山沙也加さん(仮名)は、亡くなった祖母の遺品整理の最中に、仏壇の奥から出てきた一通の封筒を見つけました。中には、色あせた銀行の通帳が3冊。いずれも、亡くなる直前まで記帳された形跡がありました。
「祖母は90歳で亡くなりました。認知症も少し進んでいて、晩年は介護付きの施設で暮らしていました。私たち家族は、すでに持ち家も売却して、資産管理も済んだと思っていたんです」
通帳に記載されていたのは、大手都市銀行と地銀の普通預金口座。中には数万円程度の残高のものもありましたが、最後の1冊だけ、明らかに異彩を放っていました。
「記帳を見ると、毎月2万円がきっちりと入金されていたんです。最初は年金かと思ったけれど、口座引き落としの年金受取とは別の口座だったのでおかしいなと」
高山さんがよく見ると、入金元の名義には見覚えのある名前が。
「実は、伯父の名前でした。祖母が『お兄ちゃんは昔から優しい』って言っていたけど、まさか毎月仕送りをしていたなんて…」
伯父に確認すると、20年以上にわたって祖母に“お小遣い”として送金を続けていたとのこと。
「『母さんは年金も少ないし、ちょっとした楽しみにでもなればと思って』と話していました。でも祖母はあまり使っていなかったようで、一部使われた形跡はあったものの、通帳には400万円以上が残っていました」
