「倹約家」というイメージと、本当の暮らしぶり
「成年後見制度」の申立て件数は年々増加しており、2024年には年間約4.2件に達しました。認知症を理由とした財産保全の目的が大半を占めています。
母の行動について、直樹さんはこう振り返ります。
「きっと誰かに頼まれて断れなかったんだと思います。母は強く見えて、実は気が小さい人でしたから…。通帳の記録を見た時、“母さん、ずっと一人で何を考えていたんだろう”って思いました」
結果的に、母が残した総資産は約480万円。通帳に記載された金額や振込先については、法的な問題はなかったものの、「もっと早く気づけていれば」という後悔が家族に残ったといいます。
今後は、子世代が高齢の親と定期的にお金の使い方や生活の様子を話し合い、信頼できる範囲でサポートを始めることが大切だと直樹さんは感じているそうです。
