「消費増税」「黒田日銀の追加緩和策」がもたらした悪影響

今回は、「消費増税」「黒田日銀の追加緩和策」がもたらした悪影響について紹介します。※本連載は、マクロ・インベストメント・リサーチの代表で、最新の経済データを駆使した独自理論が高く評価されている中丸友一郎氏の著書、『2017年 日銀破綻』(徳間書店)の中から一部を抜粋し、2017年から始まるとされる、円高から円暴落、株式大暴落へのシナリオを読み解きます。

消費増税と追加緩和が、世界経済を混乱に陥れる!?

昔から深刻な国内問題の原因を対外要因に転嫁するのは、国際政治上の常套手段である。

 

本連載で詳述するように、むしろ日本国内の要因、とくに8%消費増税や、黒田日銀の行きすぎた追加緩和こそが、わが国の経済と東京市場を長期低迷に追いやっているばかりか、世界経済と国際金融市場全体を混乱に陥れているとさえいえるのである。

完全に裏目に出た「マイナス金利政策」の導入

ここでは、その一例を簡単に紹介しておこう。

 

2008年の世界的金融危機以降、世界経済を牽引してきたアメリカ経済。その最大雇用と物価安定を司るFRBが、約10年ぶりに政策金利を引き上げたのが2015年12月16日。これによりFRBは、それまでの事実上のゼロ金利政策からの正常化を模索しはじめた。

 

これに対して、黒田日銀は2日後の12月18日、量的・質的金融緩和第2弾の補完策「バズーカ3」を決めた。

 

さらに、1カ月後の2016年1月29日には、「原油価格の一段の下落に加え、中国をはじめとする新興国・資源国経済に対する先行き不透明感などから、金融市場は世界的に不安定となっている」として、マイナス金利政策を導入したのである。

 

黒田日銀のマイナス金利政策は、明らかに円安・株高をねらったものだった。マイナス金利政策は、そもそもデンマークで同国の通貨クローネが対ユーロで割高となることを回避する通貨安戦略のひとつとして生まれた経緯がある。

 

だが、2014年10月末に行ったQQE拡大策(QQE2)のようにサプライズをねらった黒田日銀のマイナス金利政策の導入は、完全に裏目に出た。

 

なぜなら、マイナス金利政策の導入からほぼ3日後に、市場は急激に円高・株安の動きに転じたからだ。世界経済の減速懸念などを嫌気してアメリカの長期金利が急低下したことで、日本とアメリカの長期金利差が縮小したことなどが背景にあった。

 

マイナス金利政策は通貨安競争が激化する懸念を増幅させ、2月下旬の上海G20における各国通貨の競争的切り下げ回避の合意につながってしまった。結局、黒田日銀のマイナス金利政策は失敗し、自己破滅に終わったといえるだろう。

マクロ・インベストメント・リサーチ 代表

1978年一橋大学経済学部卒、米イェール大学大学院修士課程、ジョージ・ワシントン大学大学院博士課程修了。日本輸出入銀行(現国際協力銀行)、世界銀行エコノミスト、JPモルガン主席日本エコノミスト、ロイター・ジャパン投資調査部長などを歴任し、現職。浜田宏一イェール大学名誉教授に薫陶を受け、最新の経済データを駆使した独自の理論は高く評価されている。著書に『儲かる株はどっち?』(徳間書店)など多数。

著者紹介

連載「黒田ショック」が惹起する世界経済大乱

2017年 日銀破綻

2017年 日銀破綻

中丸 友一郎

徳間書店

黒田日銀のマイナス金利・異次元緩和の副作用が、2017年5月に炸裂する! マイナス金利により国債保有を控え始めた国内銀行。やがて日銀は債務超過に陥り、国際マネーの餌食となる! 2017年から始まる円高から円暴落、株…

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