度を超えた節約…「目が覚めたワケ」
Aさんのアパートから1分の距離に、24時間営業のコンビニがありました。FIREを目指し始めて、節約のおもしろさにハマっていたとき、ふとコンビニのトイレを使うことで、水道代を節約できると考えたのです。
「みんなコンビニのトイレって普通に使いますよね? その延長でした」
最初のうちは、飲み物や軽食を買うこともありました。ところが次第に、何も買わずにトイレだけを使うのが当たり前に。とはいえ、家で済ませることももちろんありましたし、人の出入りが多い店舗です。自分の行動が店舗側に認識されているとは思っていませんでした。
そんなある日、いつものようにコンビニに入店しトイレに向かおうとしたAさんは、店長から静かに声をかけられました。
――毎日何度も、何も買わずにトイレを利用していることは把握している。今後は控えてほしい――
その瞬間、顔から火が出るほど恥ずかしかったといいます。
「いい年して、こんな注意を受けるなんて……。水道代なんて、実際大した節約にはなりません。それなのに、1円でも安くなることが楽しくて、いつのまにか常識を失っていたんです」
店を汚したわけでも、騒いだわけでもありません。「みんながやっていること」だと思い込んでいた――。しかし、そこは公共施設ではなく、あくまで民間の店舗です。注意されたという事実が、その利用が“度を超えていた”ことを物語っていました。
Aさんはその場で深く謝罪しましたが、結局そのコンビニには二度と立ち寄れなくなり、前を通るたびに羞恥心に襲われ、引っ越しを決めたといいます。
「新しい家の初期費用や引っ越し代で30万円ふっとびました。自分でも馬鹿だなと思いますが、目が覚めてよかった」
節約が当たり前になった時代だからこそ
物価は上がり、賃金はなかなか上がらない。節約を意識すること自体は、もはや特別なことではありません。FIREを目指すことも、堅実にお金を貯めることも決して間違いではないでしょう。
しかし、自分でも気づかぬうちに一線を超えてしまってはいないか。この点には注意が必要です。
最近は、「お得」「無料」「タダでもらえる」といった言葉が、以前にも増して肯定的に受け取られる時代です。しかし、それが善意やコストの上に成り立っている以上、「やっていいこと」と「やりすぎてはいけないこと」の線引きは、本来もっと慎重であるべきでしょう。
人生で守るべきなのは、資産だけではありません。自分の尊厳や、社会との健全な関係もまた、同じくらい大切な“資産”なのかもしれません。
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