結婚も出世も興味がない、ただFIREしたい…34歳会社員の夢
Aさん(32歳)は都内に勤める会社員です。職場から電車で約1時間半の場所にある、家賃7万円のアパートで一人暮らしをしています。年収は520万円。決して低くはなく、「平均よりは少し上」と自認していました。
それでもAさんは、徹底した節約生活を送っていました。きっかけはSNSで知った「FIRE(経済的自立・早期リタイア)」という考え方です。
仕事のプレッシャーから解放されたい。朝、目覚ましに追われずに眠りたい。結婚願望も出世欲も特にないAさんにとって、FIREが目指す夢になりました。
投資を学ぼうと手に取った本には、こう書かれていました。
「収入はすぐに増やせないが、節約は誰にでも今すぐできる」
確かにその通りだ。Aさんはそう思い、すぐに行動に移します。
外食はほとんどせず、業務用スーパーでまとめ買いをし、昼食は手作りのおにぎりとお茶。服は基本的に買わず、必要なときはリサイクルショップ。すべては、投資の“種銭”をつくるためでした。
節約のノウハウもSNSでいくらでも手に入ります。工夫をした分だけ支出を削ることができる。それ自体が楽しくなっていきました。
FIREを目指し始めた当時の貯金は300万円ほど。「出遅れている」と思っていたこともあったのか、その節約はエスカレートしていったのです。
