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日々のフロー支出も、意識次第でストック支出に
当然、日々の暮らしには、フロー支出がつきものです。富裕層の暮らしも例外ではありませんが、実は、富裕層はフロー支出にもこの8つの価値観を軸にお金を使っています。興味深いのは、「フロー支出であっても、目的や理由、意識次第でストック支出にしてしまう」ことです。
たとえば、スニーカーを買うとしましょう。「なんとなく安くて無難だから」という理由で買うと、ただのフロー支出。でも、「毎日のランニングで足腰を痛めないように」と目的を持って選んだなら、健康を守るための投資──つまり、ストック的な支出になります。
このように、同じモノを買っても、そこにある理由や目的の違いで、「あとに何が残るか」は大きく変わるというわけです。
「活かす」「残す」「つなぐ」「育てる」という視点
「富が続く人」のストック支出には、「活かす」「残す」「つなぐ」「育てる」といった視点があります。
たとえば、ある起業家は、子どもの教育費だけでなく、地域の子ども食堂やスポーツチームへの継続的な支援にも資金を投じています。また、ある創業家は、公益財団法人制度を活用しながら、次世代や地域への想いをかたちにし、創業者の意志を継承する仕組みを整えています。
一方で、「富が離れていく人」は、高級外車や時計、不動産に多額を投じるも維持できず、ギャンブルや浪費が重なり資金繰りに行き詰まるという人も少なくありません。そうしたケースでは、収入以上に使ってしまうという問題に加え、目先の満足を優先するようなフロー支出が際立っています。
そして、自己投資といった「見えない資産」へのストック支出も、子どもへの教育費や社会貢献といった「活かす」「残す」「つなぐ」「育てる」という視点でのストック支出も、ほとんど見られません。
実は、多くの富裕層は成功を収めたあと、贅沢を楽しむ時期があります。高級車を買い、ブランド品を揃え、憧れの地をめぐる旅に出る。それは、努力への正当なご褒美だと思います。けれど、そうした消費の時期が長く続かない人ほど、結果として富を持続させています。
日々の選択が、「今の快楽」ではなく「未来の自分と誰か」のための支出につながります。「消えていくフロー支出」よりも「積み上がっていくストック支出」を選ぶこと。それを積み重ねていくことが、「見えない自分資産」を築き上げ、長期的な豊かさを得ている「本物の成功者たち」の共通点です。
富裕層の支出はタイパやコスパといった短期的な損得の計算を超えたところにあります。見えない自分資産を育てるという価値観が、長期的な富の持続につながっているのです。
森田 貴子
株式会社ユナイテッド・パートナーズ会計事務所
パートナー・税理士
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