(※写真はイメージです/PIXTA)

あまり他人には話さないことでしょうが、幼少期からの価値観の相違、決定的な喧嘩や行き違いから、親子が絶縁状態になってしまうことは珍しいことではありません。しかし、その結末が「孤独死」という形での再会だったとしたら、残された子どもの胸には重い問いが残ります。遺品整理の現場で見つかった、不器用すぎる親の愛の痕跡。それは、生前には言葉を交わすことのなかった親子の、最後にしてすでに手遅れな唯一の和解のきっかけなのかもしれません。※過去の相談事例をもとに、社会保険労務士法人エニシアFP共同代表の三藤桂子氏が解説します。事例は、プライバシーのため一部脚色して記事化したものです。

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「孤独死」を防ぐためにできること

警察庁刑事局において、「警察取扱死体のうち、自宅において死亡した一人暮らしの者」(令和6年) のうち、生前に社会的に孤立していたことが強く推認される「死後8日以上」を経過していたものは、2万1,856件であり、「死後4日以上」(参考)を経過していたものは、3万1,843件にのぼります。

 

さまざまな事情により、おひとり様になることは誰にでも起こり得ますし、少子高齢化によりその数は増え続けています。

 

厚生労働省の孤立死防止対策として、地域包括支援センター等の協力や事業者(新聞、ガス、水道等)との連携、死後事務委任契約の活用などを呼びかけています。

 

しかし、Aさんのケースにおいて、もし絶縁関係にあった親子が少しでも歩み寄れていたら、父の最期は違ったものになったかもしれません。泥だらけの1万円札と、孫の写真。 もし、同じような境遇にある方がいるならば、手遅れになる前に、お互いに歩み寄る一歩を踏み出してほしい――。そう願わずにはいられません。

 

参考

内閣府ホームページより「孤立死者数の推計方法等について」
https://www.cao.go.jp/kodoku_koritsu/torikumi/wg/r6/pdf/houkokusyo.pdf

厚生労働省:孤立死防止対策
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12000000-Shakaiengokyoku-Shakai/0000034190.pdf

 

 

 

三藤 桂子

社会保険労務士法人エニシアFP

共同代表

 

 

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