長女から郷里の母へのプレゼント…同居の兄嫁が嫌悪するワケ
「離れて暮らす母のために、と思っていたのですが…」
そういってうつむくのは、都内の大手企業に勤める会社員、山田みどりさん(仮名・47歳)。みどりさんは大学進学のために郷里の岡山県から東京都に来て以来、ずっと都内に暮らしています。独身で大好きな仕事に打ち込み、自分の人生は充実していましたが、気がかりなのは郷里の母親のことでした。
「母は今年で80歳。父を亡くしてからは兄夫婦が実家へ越してきて同居しています。私は離れて暮らす負い目から、母には毎月3万円のお小遣いだけでなく、好物のお菓子や、母が好きなおしゃれな衣類を頻繁に送っていました」
荷物を受け取った母親からの弾むようなお礼の電話がうれしく、モチベーションになっていましたが、数年前から兄嫁の幸枝さん(仮名)が「どうか、もう気にしないで。送らないで。こっちは大丈夫ですから」といって、プレゼントをやめるように促す電話が来るようになりました。みどりさんはまるで邪魔者にされたような気がして、気分がよくありません。
「あなたがくれたお洋服、皆がほめてくれるのよ!」
「なんでそんなことをいうんだろう…。私が母に贈り物をすることが、そんなに気に入らないのかしら?」
母親に電話で直接聞いたことも、一度や二度ではありません。
「ねえ、お母さん。私が送るお菓子や洋服、迷惑? いらなかったらいって、お金だけにするから…」
すると母親は、毎回はっきりと否定するのです。
「なにいってるの! あなたが選んでくれたお洋服、みんながうらやましがるのよ。〈すてきねぇ…〉〈お高そう…〉って。だから、お母さんいつもいうの。〈東京の娘が送ってくれるの。こっちじゃ手に入らないのよ〉って!」
「お菓子も、本当に珍しいものばかりだし、おいしいし。お友達が来るたび喜ばれてね。お母さん、本当に鼻が高いわぁ」
みどりさんは母親の言葉がうれしく、兄嫁の電話をスルーし続けていました。
