今回は、親の介護にかかる費用はいくらで、誰が払っていくのかという、資金計画に関する問題をお伝えします。※本連載は、介護施設の専門家である齋藤直路氏の著書『はじめてでもわかる!介護施設&老人ホームのさがし方・選び方』(サンライズパブリッシング)の中から一部を抜粋し、住む介護施設の特徴や選ぶ際のポイントを紹介します。

長期的な視点から費用を試算する

問:資金計画を立てる際に注意すべきなのはどんなこと?

 

答:年金額を把握しましょう。医療費が発生することもあるので余裕を見ておく必要があります。

 

<用意しておくお金>

老後の資金に数千万円が必要などという話を聞いたことがあると思います。実際、介護のための費用はどのくらい必要なのでしょうか?

 

民間の有料老人ホームに入る場合は、入居一時金に200万円。月額平均15万円×12ヶ月で180万円。5年間、入居するとなると900万円。合計で1100万円になります。プラスして病院で治療を受けた際の医療費も発生しますのでもう少し余分に考える必要があります。

 

本人の持っているお金

計画を立てるのが子である場合、親がどのくらいの貯金を持っているかということは聞きづらいと思いますが、1月あたりの年金額を把握しておかなければなりません。毎月施設に払うお金が1月あたりの年金額を超えないことが鉄則です。

 

また入居一時金ですべての蓄えを投じるのは危険です。介護度が上がったなどの理由によって施設を移らなければならないことがあります。そうした場合、再度、入居一時金を払う必要があります。また病気にかかれば手術などで、まとまった医療費が発生します。

誰が資金負担するのかを家族兄弟で協議

家族間の連携が必要

「親にはよい施設に入って貰いたいので長男である自分がお金を出す」などと口にするのはよいですが、現実的に長く続けられるかと冷静に考えなくてはいけません。

 

さらに子の負担として、親と離れた場所に住んでいて親が実家の近くの施設に入った場合、交通費の負担もあります。家族が集まってもそうした話題をしにくいという雰囲気があるかと思いますが、一度、家族兄弟で話してみるべきです。

 

【図表 チェックポイント】

 

夫が亡くなると年金額が減ることに注意

夫が亡くなると妻は遺族年金を貰うことになります。しかし自営業者などが加入する国民年金には、遺族年金がありません。

定番必携 はじめてでもわかる! 介護施設&老人ホームのさがし方・選び方

定番必携 はじめてでもわかる! 介護施設&老人ホームのさがし方・選び方

齋藤 直路

サンライズパブリッシング

介護に関するよくある間違い、施設選びのチェックポイント、老人ホームの種類と注意点。誰もが初めに抱く不安を一掃! プロが教える介護と老後のための新・定番読本!

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