対照的な息子…「冷たい・そっけない」評価が変化
対照的なのは、都心で一人暮らしをしている息子の翔太さん(39歳)。年に一度、盆か正月のどちらかにふらりと帰省して、半日ほど過ごしてさっと帰っていきます。手ぶらで来る代わりに、物もお金もねだらず、ただ近況を話すだけ。
「20代前半で一人暮らしを始めてから、ずっとそんな感じです。前は、娘は結婚も早くて安心・ありがたいって思っていて、息子はそっけなくて、いつまでも独り身で心配だって思ってたんですけどね。でも、今となっては楽な部分も多い。完全に自立していて、甘えてこないんです」
森下さんは複雑な笑みを浮かべます。年金生活になってからは、息子の距離感のほうが心もお金も圧倒的に楽だと気づいたのだとか。
物価高に加えて、夫婦ともに医療費が増えてきました。そろそろエアコンも寿命を迎えそうだといいます。自分たちにお金をかけるだけで精一杯。その事実を言わなくてはならないのですが。
「お金の話をして娘や孫がまったく来なくなってしまったら、それはそれで寂しい。それと、私たちがもっと老いれば、近くに住む娘にお世話になるかもしれない。それを思うと突き放せないんです」
親子のつながりに「お金」が入り込みすぎると、関係は歪む
森下さんのように、祖父母あるいは親として「してあげたい」気持ちが大きい人は、援助が習慣化しやすいといわれます。しかしその一方で、年金生活に入った親世代のあいだでは、こんな悩みが増えています。
――子どもや孫との関係が、“お金”を介したつながりになってしまう。
最初は善意で始めた援助が、いつの間にか「親の役目」や「当然のこと」へ変わってしまう。その結果、親は負担を抱え込み、子どもはそれに気づかないまま関係が固定化してしまうのです。
援助をやめる、減らすという決断は、一見冷たく感じられるかもしれません。しかし、年金暮らしになったら、一度“線を引き直す”ことが必要です。「孫のためなら、なんでもやってあげるのが祖父母の役目」と思い込む必要はありません。
・自分たちに必要な固定費はどれくらいか
・医療費や住まいの修繕費など、先々に備えたお金がいくら必要か
・上記を踏まえたうえで、どこまで援助できるのか(あるいはもう難しいのか)
こうした現実を親子で共有することが、むしろ関係を健全にする第一歩だといいます。親子双方ができること/できないことを明確に理解すれば、無理に背伸びしなくてもよくなり、関係がより本質的なものに戻っていきます。親子関係を健全に保つためには、適切な距離感と、定期的な会話が重要です。
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