息子が笑って言った「大丈夫だから」
涼太さんは、物音で目を覚ますと一瞬驚いた様子でしたが、「心配させてごめん」とつぶやきました。LINEの返信をしなかった理由は、「話す元気がなかったから」だったといいます。
「“部屋はこんなだけど、ちゃんと働いてるから”と言っていました。怒る気にはなれませんでしたね。頑張っていることは、見ればわかりましたから」
翌日、由美さんは少し多めに仕送りをして、炊飯器と冷凍食品を買い込んでから帰路についたそうです。
地方から都市部に出た子どもを「心配しすぎ」と言われる親の姿は、もはや珍しいものではありません。しかし、声をかけられないまま孤立し、心身を崩してしまう若者もいる中で、親が“過保護”になることに意味がある場合もあるのかもしれません。
「本当はこっそり行くつもりでしたが、行ってよかったと思っています。あの子の暮らしも、心の中も、少し見えた気がしたので」
親が子どもを心配する気持ちは、ときに“重たい”と受け取られることもあります。それでも、黙って見守るだけでは届かないSOSがある――そんなことを、私たちは時に思い出す必要があるのかもしれません。
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