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同窓会は楽しいはずなのに
45歳の夏帆さん(仮名)は、毎年11月になると学生時代の友人たちと母校の学園祭へ出かけます。サークルのOBG会もあり、1年ぶりに懐かしい仲間と再会する大切な時間です。
けれど今年は、例年と少し違いました。楽しいはずなのに、胸の奥に沈む“モヤモヤ”がどうしても消えなかったのです。
その理由は、夏帆さんが今年の夏に経験した大きな出来事がありました。8年間連れ添った夫との離婚。
子どもはおらず仕事も続けていたため、生活自体は大きく変わらない。それでも“離婚後初めての学園祭”は、例年以上に友人の近況が胸に刺さったといいます。
友人たちが「最強」に見える理由
母校は都内の有名大学。氷河期世代だったはずなのに、友人たちは仕事も家庭も順調そのもの。
・有名企業で昇進
・実家のサポートで子育ても余裕
・穏やかで性格も良い
夏帆さんから見ると、どこを切っても“盤石”です。
「都内に実家がある人も多いのですが、地方の普通の家庭で育った私とは、育った地盤が全然違うんですよね。もう……羨ましくて」
さらにこう続けます。
「同級生の中には、子どもをインターナショナルスクールに通わせている子が結構いるんです。衰退していく日本を出られる選択肢があるって、それだけで羨ましいと思ってしまって……。ここまでくると、私おかしいですよね。全部が羨ましく見えるんです!」
離婚直後という心の揺れも相まって、友人たちの“余裕”はまぶしすぎました。
離婚の影にあった「キャリア格差」
夏帆さんが元夫と出会った頃、年収は500万円と1,000万円。価値観も合い、対等で風通しの良い関係でした。
しかし夏帆さんの転職で状況が一変します。
夏帆さんは評価が上がり、年収は700万円台へ。元夫は個人事業主となり、収入は600万円台へ。夫婦の収入が逆転したのです。
その頃から、元夫の態度は少しずつ変わっていきました。
・卑屈な言動
・会話が減る
・理由のない不機嫌さ
「私の成功が、元夫を追い詰めていたのかもしれません。とはいえ同級生は私よりもっと稼いでいる人ばかり。それでもパートナーとうまくいっている。なんで私だけって思ってしますんです」
株式会社CAREER FOCUSが離婚経験者および既婚者計450人を対象に行った「キャリアと夫婦関係・離婚に関する実態調査」でも、妻の年収が夫を上回った場合、55.3%の夫が「自分の存在価値に疑問を感じた」と回答しています。
元夫も、まさにその状態に近かったのでしょう。
