日本で定時に帰るZ世代の若者が増える一方、ドイツ・イギリス・北欧では「サービス残業」が蔓延中…欧州の若者が“タダ働き”を選ぶ切実な理由

日本で定時に帰るZ世代の若者が増える一方、ドイツ・イギリス・北欧では「サービス残業」が蔓延中…欧州の若者が“タダ働き”を選ぶ切実な理由
(※写真はイメージです/PIXTA)

10年ほど前、「働き方改革」によって、「長時間労働=ブラック企業の証」という認識が定着した日本。メディアでは、対比として欧米の「成果主義」が盛んに取り上げられ、「日本も長時間労働をやめ、欧米に倣うべきだ」と報じられます。ところが、多くのメディアが取り上げる「理想的な海外の働き方」と実態は乖離があるようで……。木村琢磨氏の著書『社内政治の科学』(日経BP)より、日本における長時間労働のとらえかたの変化と海外の「熱意アピール」の現状についてみていきましょう。

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かつての正義だった長時間労働は、「ブラック企業の証」に

ほぼ同じ時期に、「ブラック企業」という言葉も急速に広まりました。この言葉は、2000年代初頭にネット掲示板で使われ始めたと言われるスラングです。現在では、サービス残業やパワハラ、休日なしなどの劣悪な労働環境を強いる企業を指す言葉として広く知られています。

 

それまでよく見られた「仕事があるだけありがたいと思え」という言説は影を潜めました。そして、ブラック企業とされる会社は、社会から厳しい批判を受けるようになりました。

 

こうした背景から、近年では長時間労働は「非効率の象徴」「ブラック企業の証」と見られています。「ブラック企業」という評判が立つと、企業イメージに大きな打撃を与えることになります。

 

また、働く人個人にとっても、長時間労働をしていることは以前ほど熱心さや忠誠心の証にはならなくなりました。むしろ、効率的に仕事ができない、すなわち能力が低いことの証とさえ言われるようになったのです(これは正しい認識とは限りません)。

 

近年の若手社員の中にワーク・ライフ・バランスを重視する人が多いことも、この流れを促進しています。人材不足に悩む企業は、ワーク・ライフ・バランスを実現できる人事制度の導入や職場習慣の定着によって若年者を惹きつけ、引き留めようとしています。

 

以上のような事情から、日本でも欧米のような「成果で評価する」制度や習慣の定着を目指し「労働時間ではなく成果で評価する」という考え方が広まりつつあります。

 

次ページ長時間労働による「熱意アピール」は海外にも

※本連載は、木村琢磨氏による著書『社内政治の科学』(日経BP)より一部を抜粋・再編集したものです。

社内政治の科学

社内政治の科学

木村 琢磨

日経BP

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