会議中「あ、間違ってる」と気がついてしまった…上司にその場で指摘すると“評価が下がる”日本企業の部下

会議中「あ、間違ってる」と気がついてしまった…上司にその場で指摘すると“評価が下がる”日本企業の部下
(※写真はイメージです/PIXTA)

日本のビジネスの場において日常的に使われる「本音と建て前」。この建て前は、「Tatemae」として英語でも使われるほど、日本文化として世界に知られるようになりました。しかし、「建て前」は日本独自のものといわれると、そうではないようです。海外にも、建て前とよく似た概念が存在します。経営学者の木村琢磨氏が、著書『社内政治の科学』(日経BP)より、海外における建前の概念と日本の建て前との違いについて紐解きます。

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相手を傷つけないための善意のウソ「ホワイトライ」

一方のホワイトライは、相手の感情を傷つけないようにするための善意のウソです。内容が真実でないと分かっていても、相手への配慮や思いやりからあえて伝える言葉です。

 

たとえば、新人の不十分なプレゼンテーションに対して「初めてにしては堂々としていて良かったですよ」と声をかけることがあります。これはホワイトライの一例です。たとえ実際の評価とは異なっていても、努力したことを称え、今後の成長を促す意図があります。

 

ホワイトライには、リップサービスのような利己的・打算的な側面はほとんどありません。そのため、倫理的には比較的受け入れられやすいものです。ただしビジネスの場では、過度なホワイトライが現状の把握を難しくし、フィードバックの質を下げることもあります。たとえば、明らかに不適切な資料に対して「とても良いですね」と繰り返すことは、個人と組織の成長や改善の機会を奪う原因になります。

 

こうした理由から、ホワイトライは慎重に使う必要があります。思いやりと現実認識のバランスをよく考えることが大切です。

「海外には建て前がない」という思い込みは危険

リップサービスとホワイトライは、どちらも「人間関係の摩擦を避ける」「立場を守る」「関係性を維持する」といった目的で用いられます。ただし、リップサービスはやや戦略的・防衛的な性格が強い傾向があります。一方で、ホワイトライは感情や人間関係を重視するものです。

 

言い換えると、リップサービスは「どう見せるか」、ホワイトライは「どう感じさせるか」を意識した表現です。

 

「海外には建て前がない」と思い込んで本音でコミュニケーションをとり続けるのは危険です。人間関係が悪化したり、周囲からの信用を失ったりする原因になります。

 

海外で働く際には、リップサービスやホワイトライを見抜く力が必要です。そして、自分でも使いこなす力が求められます。

 

次ページ【事例】リップサービスを使った米国人の“思惑”とは?

※本連載は、木村琢磨氏による著書『社内政治の科学』(日経BP)より一部を抜粋・再編集したものです。

社内政治の科学

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木村 琢磨

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