あなたにオススメのセミナー
今もタイのアパートとの契約は続けているものの…
「もう少し日本と海外を行き来しながら、段階的に暮らしを移していればよかった」
そう語る高橋さんは、今もタイのアパートとの契約は続けているものの、「もう当分は行けない」と話します。
総務省『家計調査年報(2024年)』によると、65歳以上の夫婦のみ世帯の消費支出は月平均約25.6万円。帰国後、高橋さん夫婦の生活費はそれを上回るペースで出ていき、今では貯金は2,000万円台にまで減少。「生活設計を考え直している」と漏らします。
「若いころなら“またやり直そう”って言えたかもしれない。でもこの歳での失敗は、やっぱり堪えるんです」
高橋さんはそう語り、静かに目を伏せました。
「海外で暮らした時間も、思い出も、後悔しているわけじゃないんです。でも……“戻る場所”の確保はしておくべきでしたね」
老後の海外移住は、決して悪い選択とは言い切れません。ただし、医療制度や住環境、予期せぬ出費など、現実的な視点を持ったうえで計画を立てることが求められます。「夢のセカンドライフ」を描く際には、その裏側にある課題にも目を向ける必要があるのかもしれません。
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】
「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】
