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「家族が納得しやすいか」を基準に選ぶ
遺言の仕方の選択は、費用や作成の手間だけでなく、「残された家族が納得しやすいか」という視点も大切です。遺言はただ単に財産の分配指示書というだけでなく、家族に残す最後のメッセージです。家族関係や相続財産の状況、将来のトラブルの可能性を踏まえ、信頼性と安心感のバランスを考えて選択することが、円満な相続へつながります。
遺言があっても家族が揉める理由
偏った遺言はむしろ争いの火種になる
「遺言さえあれば安心」と思う方は多いのですが、実際には遺言が原因で家族の対立が深まることもあります。
典型的なのは、財産の分け方が特定の相続人に極端に偏っている場合です。たとえば「全財産を長男に相続させる」という内容なら、他の兄弟姉妹から「なぜ自分には何もないのか」「生前に説明もなかった」と不満が噴き出しやすく、結果として感情的な争いに発展します。法的に有効な遺言であっても、納得できない気持ちは簡単には収まりません。
特に兄弟姉妹の間に生前からの不公平感や遺恨があると、遺言が火に油を注ぐ役割を果たしてしまうことすらあります。
自筆証書遺言は疑念を招きやすい
自筆証書遺言は簡単に作れる一方で「本当に本人が書いたのか」「同居していた家族に書かされたのではないか」と疑われやすい点に注意が必要です。
病床で作成された遺言や、内容が偏った遺言は特にその傾向が強くなります。その結果「遺言に従うべき」という立場と「納得できないので協議したい」という立場が真っ向から衝突し、相続が長期化してしまうことも珍しくありません。
遺言は強い効力を持つ大切な手段ですが、受け取る側の気持ちや納得感を欠くと、かえって争いの原因となってしまうのです。



