(※写真はイメージです/PIXTA)

高齢の親がひとりで暮らす実家。離れて暮らす家族にとって、その「異変のサイン」に気づけるかどうかは、ときに命に関わる問題になります。内閣府『高齢社会白書』によると、65歳以上の高齢者の単身世帯は年々増加し、令和7年時点での推計値は約815万世帯にのぼります。孤立死や認知症によるトラブルも社会的な課題となっており、高齢者の“見守り”の重要性が叫ばれています。

ひとり暮らし高齢者の「異変のサイン」

高齢者の認知症の兆候は、“物忘れ”だけでなく、「以前はできていた日常の動作ができなくなる」ことが典型的なサインだといわれます。

 

厚生労働省『認知症施策推進総合戦略』によると、2025年には65歳以上の5人に1人が認知症になると推計されており、早期発見と見守り体制の強化が重要視されています。高齢者が一人暮らしをする場合、地域包括支援センターや、見守り機能付きの自治体サービス(配食・センサー・声かけなど)を活用することで、孤立や異変の見逃しを防ぐことができます。

 

しかし実際には、地方部では「ご近所付き合いが減っている」「声をかけづらい」などの事情から、見守りが行き届かないケースも増えているのが実情です。

 

雅志さんは、実家近くの空き家を借りて月の半分を地元で過ごす“二拠点生活”を始めました。

 

「会社にも事情を話して、週3はリモートで働けるようにしてもらいました。まだ要介護ではないですが、生活のなかで小さな変化を見逃さないようにしていこうと思います」

 

玄関の鍵は、暗証番号式のデジタルロックに変更されました。母の手元には、家の中と外の両方で押せる緊急通報ボタンも設置されています。

 

「“鍵が開かない”というのは、ほんの小さな異変でした。でも、それが母の変化に気づく大きなきっかけだったと思っています」

 

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※本記事のインタビューではプライバシーを考慮し、一部内容を変更しています。

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