“ニッチ市場”でドイツに大敗…ものづくり大国・日本の中小企業で、“技術力”より”国際化”が「優先課題」である理由

“ニッチ市場”でドイツに大敗…ものづくり大国・日本の中小企業で、“技術力”より”国際化”が「優先課題」である理由
(※写真はイメージです/PIXTA)

知名度は低いものの、特定のニッチ市場で圧倒的な世界シェアを誇る中小企業を経済用語で「隠れたチャンピオン」という。日本と同じく、中小企業の割合が多い”ものづくり大国”・ドイツには、「隠れたチャンピオン」を生み出すさまざまな支援制度がある。 一方で、ニッチ分野において技術力に定評がある日本とは何が違うのか。本記事では、岩本晃一氏の著書『高く売れるものだけ作るドイツ人、いいものを安く売ってしまう日本人』(朝日新聞出版)より、ドイツ経済の強さの秘密であるニッチ市場の中小企業を検証する。

ゴールドオンライン新書最新刊、Amazonにて好評発売中! 

『司法書士が全部教える 「一人一法人」時代の会社の作り方【基本編】』
加陽麻里布(著)+ゴールドオンライン (編集)

『富裕層が知っておきたい世界の税制【カリブ海、欧州編】』
矢内一好 (著)+ゴールドオンライン (編集)

『司法書士が全部教える 「一人一法人」時代の会社の作り方【実践編】』
加陽麻里布(著)+ゴールドオンライン (編集)

シリーズ既刊本も好評発売中 → 紹介ページはコチラ!

グローバル化をなかなか果たせない日本の中小企業

汎用品からニッチへと進み、海外進出が一連の流れ

筆者は日本のGNTは隠れたチャンピオンになりうると考え、長らく注目をしてきた。日本のGNT企業に見るグローバル化の特徴は、経済産業省製造産業局が選定した「グローバルニッチトップ企業100選」(2014年3月17日発表)に対するアンケート調査に見ることができる。そこから浮かび上がるグローバル面における平均的な姿は、次のとおりである。
 

『日本のGNT企業のグローバルの側面』

1. 海外売上比率は平均45・1%、販売先国数は平均38.3か国 
2. 市場規模が数億円から1000億円程度の特定の製品市場において平均59.6%の世界シェアを獲得
3.世界シェア10%以上を維持している期間は平均19.9年 


GNT企業となった経路は、「国内で汎用品からスタートし、その後ニッチ製品を製造し、海外市場に進出した」ケースが最も多い。GNTとなる過程で苦労したのは、「優れた製品を開発すること」が最も多く、次いで「自社製品を海外に展開し、顧客を開拓すること」が多くなっている。企業活動の全工程のうち、前工程と後工程が課題だったことがわかる。

GNT企業は外部との共同研究を積極的に行っており、約8割が「顧客との共同開発」を行い、約6割が「大学・研究機関との共同開発」を実施している。また、売上高対研究開発費比率は、製造業平均4.4%に対し、GNT企業の大半は5%以上である。

海外企業との共同開発にも積極的であり、44%が「既に海外企業との共同開発を行っている」。その共同開発先は欧州が30.4%と最も多く、次いで北米24.1%となっている。
海外市場の開拓で重視する事項は、「自社の海外販売網」55%、「有力な海外代理店」38%、「海外見本市への出展」32%となっている。

世界市場での成功のために重視する事項は、「経営者のリーダーシップの発揮」54%が最も多い。

 

【12/18(木) 『モンゴル不動産セミナー』開催】

坪単価70万円は東南アジアの半額!! 都心で600万円台から購入可能な新築マンション

次ページ台頭が望まれるグローバル人材 

※本連載は、岩本晃一氏の著書『高く売れるものだけ作るドイツ人、いいものを安く売ってしまう日本人』(朝日新聞出版)から一部を抜粋、編集したものです。

高く売れるものだけ作るドイツ人、いいものを安く売ってしまう日本人

高く売れるものだけ作るドイツ人、いいものを安く売ってしまう日本人

岩本 晃一

朝日新聞出版

ドイツに抜かれ、名目GDPが世界第4位に転落した日本。“ものづくりの国”という共通点のある日本とドイツは、約99%が中小企業であるのも同じだが、日本の製造業の生産性はドイツの3分の2。それはなぜか? ドイツの優れた中小…

カインドネスシリーズを展開するハウスリンクホームの「資料請求」詳細はこちらです
川柳コンテストの詳細はコチラです アパート経営オンラインはこちらです。 富裕層のためのセミナー情報、詳細はこちらです 富裕層のための会員組織「カメハメハ倶楽部」の詳細はこちらです 不動産小口化商品の情報サイト「不動産小口化商品ナビ」はこちらです 特設サイト「社長・院長のためのDXナビ」はこちらです オリックス銀行が展開する不動産投資情報サイト「manabu不動産投資」はこちらです 一人でも多くの読者に学びの場を提供する情報サイト「話題の本.com」はこちらです THE GOLD ONLINEへの広告掲載について、詳細はこちらです

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録