思っていたのと違う…60歳アルバイターの現実
Aさんは退職して2ヵ月ほどゆっくりした後、大型ホームセンターでアルバイトを始めました。シニアが働く姿を見ていて、「ここがいい、お客さんとのやりとりも楽しそうだし、自分にもできそうだ」と目をつけていたといいます。
自転車で通えて、週5日、朝10時から夕方5時まで。時給は1,200円。月収は18万円ほどの見込みです。満員電車もなければ、売上のプレッシャーもない。気楽に働ける――そう思っていたのですが、現実はそう簡単ではありませんでした。
「商品の場所もマニュアルも、なかなか覚えられない。商品を管理するハンディ端末の操作にも戸惑ってしまって、同時期に入った40歳も年下の学生バイトより圧倒的に社員に面倒をかけてしまう。60歳で内心“まだ若い”と思っていたのに、じいさんみたいで恥ずかしいやら情けないやら。プライドが傷つきました」
お客さんからの質問に答えられず、しどろもどろになっているうちに「他の人に聞くからいいです」と去られてしまう。若い社員やパートから、気を使われながら注意を受けることもあり、自信を失っていきました。
