とにかく会社を辞めたい…60歳で颯爽と退職したAさん
地方の中堅メーカーに勤めていたAさん(60歳)。営業職として35年以上、誠実に働いてきました。かつては優秀な営業マンでしたが、50代を過ぎると若手社員に次々と追い抜かれ、肩身の狭い思いをしていたそうです。
長年勤めたことで楽な部分もありましたが、いつしか「60歳で退職金をもらったら、もうここにはいたくない」……そう思うようになっていたというAさん。継続雇用に切り替わると、部下だった社員の下につくことになるのも憂鬱でした。
60歳時に支給される退職金は1,500万円、貯蓄はおよそ1,400万円。持ち家の住宅ローン残高は800万円。退職金の一部で完済すれば、あとはアルバイト収入でつなぎ、65歳からは年金(自分は月15万円、妻は10万円ほど)で十分暮らせると考えました。
子どもも大学を卒業目前にしており、教育資金の負担から解放されるのも大きかったといいます。
パートを続けるという妻からは「本当に辞めていいの?」と聞かれましたが、「働かないわけじゃない、アルバイトはするから」と笑って答えました。
そして、雇用継続で働く同じ年の同僚を横目に、退職することに。会社を去るときにはスッキリ爽快。すべてのしがらみから解放された気分だったといいます。
しかし、その後、Aさんは現実を思い知ることになります。
