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「プレゼントは家事代行でいい」妻の一言に夫は驚いた
東京都内で暮らす会社員の佐伯裕樹さん(45歳・仮名)と妻の真由さん(42歳・仮名)は、小学2年生の一人息子を育てる共働き夫婦です。
裕樹さんの年収は約800万円、真由さん年収600万円です。昨年まで時短勤務でしたが、今年からフルタイム勤務に復帰。リモートワークが中心とはいえ、日々の業務は多忙を極めます。9月9日、真由さんの誕生日。
夫の裕樹さんが「欲しいものある?」と尋ねると、返ってきたのは意外な答えでした。
「プレゼントは家事代行サービスがいい」
「冗談だろ?」と裕樹さん。
「家事なんて自分たちでできるじゃないか。それに君はリモートワークが多いんだから、合間に少しずつやってるんだろ?」と、思わず口にしてしまいました。
しかし、その一言に真由さんは顔をゆがめ、ついには泣き崩れてしまったといいます。
「私、休み休み働いているわけじゃないの」
「リモートだから楽だと思われがちですが、常にチャットが飛び交う環境で、休む暇なんてない。去年まで時短で迷惑をかけた分、今は何とか信頼を取り戻したくて必死なんです」
真由さんは、掃除も洗濯も「ちょこちょこ」やってはいるものの、レンジフードや水回りなどの細かい部分まで手が回らないと話します。食事もなるべく手作りが良いと思っているものの、冷凍食品やお惣菜を活用する日もあります。
「家事って、目に見えない“やることリスト”が無限にある。子どもの習い事の準備やプリントの整理、日々の献立まで…。仕事が終わってから寝るまで、ずっと頭の中がフル回転なんです」
裕樹さんは「うちの母(専業主婦)に比べたら掃除は完璧じゃないけど、ゴミ屋敷ってほどじゃないし、外注なんて無駄だろ」と思っていたといいます。
「“自分たち”で家事をやったこと、ある?」
そんな夫に、真由さんは静かに言い返しました。
「“自分たちで”って言うけど、あなたはゴミ出しぐらいしかしないよね? “自分たち”って言えるほど、家事を一緒にやったことある?」
その言葉に、裕樹さんは何も言えなくなりました。
思い返せば、休日は「疲れてるから」と昼まで寝ていることが多く、子どもの宿題を見るのも妻任せ。
共働きとはいえ、家事と育児のほとんどを真由さんが担っていました。
「仕事と家庭の両立って言うけれど、両立しているのは私だけ。夫は結婚しようが子供がいようが生活は変わっていないんです」(真由さん)
「家事にお金を払うなんて」と思っていたけれど
結局、誕生日当日は真由さんの希望通り、家事代行サービスを頼むことに。業者が数時間で家中をピカピカにしてくれました。
「水回りも窓も新品みたいで驚きました。何より、妻の表情が明るかった。“久しぶりに気持ちに余裕ができた”と言って、家族3人で外食したんです。カフェでお茶をして、“こういう時間をとりたかったんだ”と笑う妻を見て、胸が詰まりました」
裕樹さんは、「家事にお金を払うなんて」と思っていた自分を反省したといいます。
「妻にだけ仕事と家庭の両立を求めていた。僕は“手伝う”という意識しかなかったけれど、本来は“分担する”べきだったんですよね」
