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ITリテラシーが低いと 失敗を担当者のせいにしがち
ITに疎い自分が下手に関わるより、ITに詳しい人材に任せたほうがいいという考え方は、確かに一理あります。専門性の高い業務ほど素人が関わると現場が混乱するというのはよくある話です。そのため、社員の中でITに詳しい人をIT担当者にしたり、人材募集をかけて適任者を新たに採用したりします。そして、「これでITを任せる人ができた」「責任をもってやってくれるだろう」と安心してしまうのです。
ところが、実際にプロジェクトが動き始めると、さまざまな問題が起きてきます。ただのパソコン好きというわけではなく、ある程度ITの知識やスキルがある者が担当になったとしても大差はありません。
DXというと概念がかなり広くなってしまうので、本書ではシステム開発に絞って話を進めていきますが、例えば、次のようなトラブルが頻発します。
・納期を過ぎても製品が仕上がってこない
・仕上がってみると使いづらい。欲しい機能と微妙にずれている
・「改善してほしい」と言うと、システム開発会社は「言われたとおりにつくった。手直しするなら追加費用がかかる」と言ってくる
・納品後もトラブルが多発。対応に追われ、取引先にも悪影響が及ぶ
・保守運用費がかさむ割に何年経ってもシステムが安定しない
・そもそも今支払っている開発費や保守運用費は適切なのかも分からない
こういう不具合が起きてくると、経営者や部門責任者は大抵「うちのIT担当者は仕事ができない」「システム開発会社はちゃんと仕事をしてくれているのか?」と考えます。そして、次のアクションとしては、開発がうまくいかない原因であるIT担当者やシステム開発会社に改善を求めます。強く改善を求めてもダメならIT担当者を代えたり、システム開発会社のエンジニアを交代させたりすることになります。
しかし残念ながら、そういう対策を講じても、多くの場合トラブルはなくなりません。むしろ事態がこじれて状況がさらに悪化することさえあります。
なぜシステム開発をめぐって迷走したり、トラブルの悪循環に陥ったりしてしまう企業が絶えないのか。それは、真の原因が別のところにあるのに、IT担当者やシステム開発会社が悪いという間違った認識に基づいた対策を講じているからです。真の原因が改善されない限り、トラブルは次々と生産されてしまいます。
では、真の原因とは何かというと、経営者や部門責任者の部下に丸投げ”の姿勢やITリテラシーの欠如だと私は考えています。本書でいうITリテラシーとは、普段からITを使っているという意味ではなく、システム開発におけるIT知識のことです。IT担当者がいくらITに詳しくても、プロジェクトのトップがITに不案内すぎると正しい判断を下すことができず、担当者を混乱させてしまいます。プロジェクトは目指すべきゴールを見失い、迷走することになるのです。
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