(※写真はイメージです/PIXTA)

高齢者をターゲットとした契約トラブルが増えています。見守りサービスやサブスクリプション型の健康・生活支援など、本来は安心のための仕組みであるはずのサービスが、気づかぬうちに“定額課金地獄”に変わることも。認知機能の衰えやデジタル化への不慣れから、契約内容を正しく把握できず、気づけば数万円単位の出費となっていた——というケースも少なくありません。

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    「これ、何のお金?」母の通帳に連なる謎の引き落とし

    「最初は何かの間違いだと思いました」

     

    そう話すのは、東京在住の会社員・岡野沙織さん(仮名・41歳)。年金暮らしをしている76歳の母・美智子さん(仮名)の生活費の補助として、家計管理を手伝うようになったのは、父の死後からでした。

     

    通帳を確認していたとき、彼女の目に止まったのは、「XXXサポート」「XXXクラブ」などと記載された複数の引き落とし。月額で合計7万円を超える額が、毎月コンスタントに引き落とされていたのです。

     

    「どれも聞いたことのないサービスで、母に尋ねても『忘れた』『何かの保険かも』と要領を得ない。明らかに使っていないサービスも含まれていて、正直ゾッとしました」

     

    調べてみると、その多くは高齢者向けに電話勧誘で案内される「生活支援サブスク」でした。見守りサービスや健康相談、レクリエーション情報の提供、遠隔安否確認などをうたっていましたが、実際には一度も利用されていないものばかり。中には、初月無料を装った上で、半年縛りの“定額プラン”に自動移行する悪質な仕組みもあったといいます。

     

    美智子さんがこうしたサービスに申し込んだ理由は、「一人暮らしで何かあったとき、誰かが気にかけてくれる安心感がほしかったから」。電話越しのやさしい口調や、「お子さんのためにも安心ですよ」という営業トークにほだされてしまったようです。

     

    「母はもともと人を疑わない性格。見守りと聞いて“親切な人がいてくれる”と思い込んでいたみたいで……。しかもパンフレットの字が小さすぎて読めていなかった」

     

    沙織さんは、契約先に連絡を取り、強く解約を申し入れましたが、「最低契約期間が過ぎていない」「本人の同意がある」としてすぐの解約はできず、一部は違約金が発生する結果に。弁護士への相談も検討しましたが、「母の判断能力が著しく低下していたとまでは言えず、取り消しは難しい」と説明を受けたといいます。

     

    「自分の無関心も一因だったのかもしれない」と沙織さんは悔しさをにじませます。

     

     \1月20日(火)ライブ配信/
    調査官は重加算税をかけたがる
    相続税の「税務調査」の実態と対処方法

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