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周波数を著しく下げる「エゴ」とは
私たちの心は、繊細な楽器のようにさまざまな周波数*で振動しています。喜びや感謝といったポジティブな感情は、高く澄んだ音色のように高い周波数で響き、恐怖や不安といったネガティブな感情は、低く濁った音色のように低い周波数で響きます。
*周波数…「心の状態を表すバロメーター」。メンタルの体温(=「心のエネルギー状態」を示す指標。体温のように高く保つことで、ベストパフォーマンスを発揮できる強靭なメンタルになる、とされています)を高く保つために、この「周波数」をポジティブな状態(高い周波数)に意識的に合わせる(チューニングする)ことが重要とされています。
実際、音楽の世界では「432Hzは愛の周波数」といわれることがあります。432 Hzの周波数は、人の心に安らぎや調和をもたらし、愛や癒やしを感じやすくすると考えられているためです。
私たちの感情と周波数の関係を大まかに分類すると次ページのようになります。ポジティブな感情は高い周波数、ネガティブな感情は低い周波数と関連づけられます。私たちの周波数は、周囲の環境や人間関係によって常に変化しており、低い周波数に共鳴してしまうと、ビジネスシーンでの意欲の低下にとどまらず、心身の不調を引き起こす可能性もあります。
では、なぜ私たちは無意識のうちに低い周波数にチューニングしてしまうのか? その要因こそが、実は私たちの「エゴ」なのです。
エゴとは、一言で定義するのが難しい、複雑な構造を持った概念です。日常生活では「自己中心的」「わがまま」など、否定的な人物評価に使われることが多いですが、実際には人間の成長や社会生活において欠かせない役割を果たしています。
私たちのなかにあるエゴは、「安全を確保したい」という自己保存欲求や、「夢をかなえたい」といった自己実現欲求など、さまざまな欲求の集合体であり、私たちが自分自身を認識し、他者と区別するための基盤となります。例えば、私は幼い頃から日本とカナダ、二つの文化的背景のはざまで育ちました。カナダではアジア人として、逆に日本では西洋人として見られることが多く、どちらにいても完全にホームだとは感じられない経験をしてきました。そのようななかで、「私の出身はどこなのか」「私は何者なのか」と自問する機会が多く、自分のなかに2つの異なるルーツや視点が共存していることを強く意識するようになっていきました。こうした経験は、他者との違いを認識し、自らの役割や存在意義を模索するプロセスそのものであり、エゴの形成に深く関わっているのです。
エゴはまた、私たちが目標を達成したり、困難を乗り越えたりするためのポジティブな原動力にもなります。「自分はもっとできるはずだ」「あの人には負けたくない」という気持ちは、目標に向かって努力し、困難を乗り越えるためのエネルギーになります。
しかし、エゴには大きな問題もあります。エゴは、常に自己中心的で過剰な自意識を生み出し、私たちをさまざまな感情の波に引き込みがちなのです。他人と比べて優越感や劣等感を抱いたり、過去の成功や失敗にとらわれたりすると、心の周波数は著しく低下します。
周波数が低下すると、脳は高い周波数をキャッチしづらくなり、外部の環境からも低い周波数ばかりを拾うようになります。ラジオの周波数が合っていないときに、雑音ばかりが入ってくる、まさにそんな状態です。低い周波数の情報ばかりが入ってくることで、さらにネガティブな感情が増幅され、悪循環に陥ってしまうのです。
