(※写真はイメージです/PIXTA)

高齢の親が「老後資金は大丈夫」と口にしていても、子どもとしてはどこか心配なもの。いざその時が訪れ、相続手続きを進めるなかで、思わぬ事実が明らかになることもあります。特に「通帳の中身」や「管理状況」が本人任せになっていた場合、家族がその内容を正確に把握するのは難しく、思わぬトラブルに発展するケースも少なくありません。

親の「通帳」は、元気なうちに一緒に見る

また、近年では「振り込め詐欺」や「高齢者を狙った訪問販売被害」なども後を絶ちません。万が一、不明な支出があった場合も、本人が亡くなってからでは追跡が困難です。

 

「成年後見制度」などを利用して、資産管理を支援することもできますが、申し立てや審査、報酬などの手間がかかるため、元気なうちは使われにくいのが現状です。

 

沙織さんは、今回の一件を経て強く思ったといいます。

 

「生きているうちに『一度、通帳の中身を一緒に確認しておこうか?』と聞いてみればよかった。父は“見せる必要はない”って雰囲気だったけれど、それでも声をかけておけば…」

 

資産や収支の話は、親子間でも踏み込みにくいテーマです。しかし、親が亡くなった後に通帳を開き、思わぬ現実に直面する人は少なくありません。

 

遺された家族が混乱しないようにするためにも、親が元気なうちから「財産の共有」や「支出の確認」を一緒に行う――。それは、大切な人を守るための小さな備えかもしれません。

 

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