(※写真はイメージです/PIXTA)

電気・ガス料金の値上がりが続くなか、高齢の一人暮らし世帯にとって、冬の生活費は深刻な問題です。年金だけでは毎月の固定費や食費をまかなうだけで精一杯で、「暖房をつけない」「風呂を控える」といった“我慢の節約”を日常的に強いられている人も少なくありません。国や自治体による支援策もあるものの、それに気づけなかったり、申請をためらったりするケースもあり、見えにくい“生活の困窮”が静かに広がっています。

「もう少し寒くなってからでいいよね」

東京都郊外の団地で暮らす68歳の佐々木昌代さん(仮名)は、7年前に夫を亡くして以来、一人暮らしを続けています。年金収入は月12万円。国民年金と夫の遺族年金の合算で、決して多くはありません。

 

「冬になると、お風呂のガス代が跳ね上がるんですよ。暖房と併せて1万円超える月もあって」

 

そんなある夜、冷え込む居間で、昌代さんは静かに独り言をつぶやきました。

 

「今月はまだ、お風呂やめておこうか」

 

決して、清潔を疎かにしたいわけではありません。でも、毎日のように湯を張ることが“贅沢”になってしまう生活が、そこにありました。

 

昌代さんの冬のルーティンは、湯たんぽを布団に仕込み、寝る前に電気ストーブを20分だけつけること。そして、入浴を控えた日は電子レンジで温めた蒸しタオルを使って、体を拭くようにしています。

 

「頭皮がベタついてきたら洗面台で洗うし、どうしても寒くてつらい日は銭湯にも行きます。でも、それも月に2回までって決めているんです」

 

節約のために、“身体の清潔さ”に工夫を凝らす。年金12万円の生活の中では、それが現実なのです。

 

一人暮らしの高齢者にとって厳しいものの一つが光熱費の変動です。特に冬場は暖房・給湯の使用が増えるため、ガス・電気代が月8,000〜1万5,000円程度に膨らむ家庭もあります。

 

「食費はある程度コントロールできますけど、光熱費は“使わない”しか対策がないんですよね」

 

昌代さんは、毎月の家計簿に光熱費の使用量もメモしています。前年同月と比べて増えていれば、すぐに暖房の時間や設定温度を見直すといいます。

 

かつて生活保護には「冬季加算」「老齢加算」などの名目で、季節的・年齢的な負担に配慮した加算制度が存在していましたが、老齢加算は2006年に廃止されました。また、生活保護を受けていない高齢者については、光熱費や水道代に対する補助制度は原則存在しません(一部の自治体で災害時や緊急時に限った給付はあり)。

 

つまり、年金収入のみで暮らす人にとって、冬場の光熱費は“完全な自己負担”となるのが現状です。

 

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